色々な場面で使われるかっこいい。手を伸ばして頑張れば手が届くものなのだろうか。あるいは今手が届かないがそれを何とかして手に入れていく過程、手に入れられた後なのか…
また漸近線に近づいていくが交わることがない状態。近づいたと思って拡大してみると全然近づいていなくて永遠に漸近線なのかもしれない。
突き詰めていくと熱量、原動力、エネルギーのような実体のないもの…!? 3人の識者の考えをみてみよう。
芝浦工業大学 芹澤准教授
専門材料工学 (アルミニウム)
説:軽くて強い
アルミの質量は鉄の1/3、アルミニウムが鉄に代わって自動車や電車、航空機などにも使われ出しているという。
アルミニウムの強度は弱いが、あることをすると凄く強くできる。アルミニウム+亜鉛+マグネシウムにすると鉄より強くなる。
超々ジュラルミンのように、アルミニウムは他の金属と比べると強度が増す伸びしろが非常に大きいといわれている。軽くて強いはなかなか無い。アルミニウムはそれを両立できる。
また金属に対してはさび対策が絶対必要。アルミニウムだと非常に簡単にさび対策ができる。水蒸気で処理すると、水蒸気と反応してできた被膜がアルミニウムをコーティングしさびにくくなる。
軽くて強い材料 → 自動車の燃費が良くなる → CO2排出量が減る アルミニウムはサステナブルな材料で地球環境を守ると考えられている。
多摩美術大学 金沢教授
専門中世美術史
説:逸脱すること
想像もつかないところに出た抜きんでた人やものがかっこいい。ロマネスクの有名な建物ピサの斜塔など。
ロマネスクは、古代ローマのスタイルを発展させた11~12世紀の建築美術様式。石造りの聖堂の半円アーチ、大胆にデフォルメされた彫刻が特徴。
美の規範から逸脱することを恐れない美術がかっこいい。ロマネスクほど激しく逸脱したものは近代以前には無いという。
ロマネスクの時代はいろんな地域に小さな領主いて、城や教会あって新しい村々があった。村の石工が頑張って作ってひょんなことから逸脱していったようだ。
多様性が生まれるような環境があってその1つが逸脱ったのかもしれない。
東京大学 佐藤教授
専門海洋生物学
説:無駄がない
機能的で無駄がない形がとてもかっこいい。ペンギンやアザラシは流線型。水の中は抵抗が大きいので、流線型は重要。
より抵抗の少ない形を進化させてきた動物は楽に泳ぐことができて、機能的ないい形(流線型)をしたオスをかっこいいと思って選ぶように進化したと考えられる。
動物の振る舞いにも無駄のないかっこいい振る舞いがある。泳ぐときの速さが無駄のない速さを選んでいる。動物の大きさは大小あるが、およそ秒速2m前後。
それが一番エネルギー効率の良い速さを選択していると考えられている。