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腸は脳を支配する?

自分の意志で生きている臓器があるという。それは脳にさえ指示を出す臓器、腸だ。

必要な情報を腸で感じて脳に伝える。性格、感情が変わる可能性もある。

腸の神経は脳の神経と全く同じものだという。その神経を1億以上持つ腸は、自ら考え行動している。

腸から脳が生まれた
国立遺伝研究所 清水祐研究員によると、

体長1cm程の水生動物ヒドラ、体の7割を占めているのが消化管。

はるか昔最初に腸を持った原始的な生物に近いという。

ミジンコなど餌を見つけると、食べて食べた口から排泄する。

ミジンコは血液は持っていない。

心臓もない、脳もない。

何も無いのに生きている。

餌のある所に移動する意志は、腸が生み出す?

網目状の神経は、哺乳類の腸の神経ととても構造が似ている。

進化の過程で体の中心に神経が集中、それが脳の起源ではないかと考えられている。

東北大学大学院 福土審教授によると、

腸が最初にできた臓器、あらゆる生物の基本になる。

古典的な神経伝達物質は、腸の中にも存在する。

セロトニン、ノルアドレナリンなどの物質。

腸で使われていたものが使いまわされ、脳の中でも使われるようになった。

毒性がある物は早めに排泄し、栄養がある物はゆっくり消化吸収するように腸が判断している。

腸のぜん動運動はセロトニンによる働き。

アセチルコリンが不足すると認知症が進む。大事なものは腸と脳の両方にあるのではないか。

腸が性格を決める?
腸にも味覚のセンサー「絨毛」があり味を感じているという。

名古屋市立大学 飛田秀樹教授によると、

生きる上で必要な情報が腸で感じて脳に伝わる。

酸味以外の甘み、塩味、苦味、うま味の4つのセンサーが腸で見つかっている。

その中でもうま味センサー、グルタミン酸、イノシン酸などの出汁の味に反応。

うま味によって腸は喜びを感じている状態。この仕組みは生まれた時からある。

母乳にはうま味が多く含まれていて、私達が腸で感じる初めてのうま味だ。

うま味=たんぱく質の味

たんぱく質は筋肉 や骨などの体を作る材料となる物質。

母乳に多く含まれているのは、体に必要な物質を赤ちゃんに覚えさせるという生命の意図ともいわれいる。

このうま味を腸で感じると性格が変わる!?

相手を素早く受け入れる寛容になる。

うま味を摂ると攻撃性が減少。

発育期に最適な量のうま味をとって育てれば、多少攻撃性が下がると考えられる。

慶応義塾大学 金井隆典教授によると、

腸のセンサーがうま味成分をキャッチして攻撃性がある、無しを決めている。

小腸や十二指腸のセンサーが味をキャッチして脳に伝える。

なぜ腸は脳に密かなメッセージを送るのか?

脳にうま味成分を記憶させているのかもしれない。

脳 → 腸

腸 → 脳

脳腸相関

パーキンソン病は脳に変性たんぱく質が蓄積することで深刻な運動障害を引き起こす。

腸に異変が起きて、脳に影響を与えることが分かってきた。

脳は腸のドラ息子
修行僧などが食べる精進料理、しっかりと出汁をとったうま味が含まれており、適度な甘みや塩味もある。

こういった食事が腸を喜ばせて、花粉症などのアレルギー症状が緩和された。

また快食、快便を行うと腸の信号が脳に伝達され、大変爽快な気分というものが生まれると考えられている。

逆に食欲が暴走して暴飲暴食、結果肥満になるのは脳のせい?

飽食の時代が脳の誤作動を引き起こしたのかも。

Gut Feeling
腸 感覚

腸で感情を表現する言葉がたくさんある。

腸(はらわた)が煮えかりかえる。

断腸の思い。

腹の虫がおさまらない。

これらは人類がまさに体得した言葉なのかもしれない。