スポンサーリンク

100mを9.98秒で走る人は遺伝?

もし親が走るのが速くても、子が必ずしもそうなるとは限らないという考え方があるといいます。それは遺伝的な要素が受け継がれたとしても、環境で変わっていく部分があるからだといいます。

それを専門用語でエピジェネティクスというそうです。エピジェネティクスとは、DNAの塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現の制御機構のこと。つまりある程度環境によって変わっていくということです。

骨や筋肉は先天的な遺伝によって受け継がれますが、かけっこが速くなるには後天的な環境が大事だと考えられています。足の速さは遺伝だけでは決まらないということでしょうか。

身体的特徴と学力などの遺伝率の比較(出典:慶応義塾大学 安藤寿康教授)によると、身長、体重、IQは遺伝率が非常に高く、国語・算数・数学などの学力は環境要因の方がまさっているようなのです。

「一流になるには1万時間やらなければならない」という説があるといいます。5時間x365日x6年=1万950時間、毎日5時間なにかを実行して6年かかるということですので、結構な時間がかかりますね。遺伝と環境はなかなか難しいですが、リンクしているのは確かなようです。

環境要因
最初の遺伝の研究は、オーストリアの植物学者 グレゴール・ヨハン・メンデルがえんどう豆の交配実験から「メンデルの法則」と呼ばれる遺伝に関する法則を発見したといわれています。

遺伝は形質(生物の外見的特徴や機能として現れる様々な遺伝的性質)が遺伝するといわれています。不思議なのは、妊娠の初期段階で母親が飢餓状態だった子どもは、歳をとってから糖尿病や肥満になりやすいそうです。

低栄養という環境の情報が体の細胞のどこかに上書きされるのではないかと考えられています。大人になって普通に食べても栄養過剰になり肥満傾向が出やすいそうです。

妊娠の早い段階ほどエピジェネティクスな状態は変わりやすいといわれています。飢餓状態ではないにしても、妊娠の初期の栄養状態が悪いと、遺伝以外で子どもに悪影響を及ぼす恐れがあるので注意が必要です。