ひきこもりの人は、40歳未満(15~39歳)で約54万人(男性63%)、40歳以上(40~64歳)で約61万人(男性77%)で合計115万人いるといわれています。
ひきこもりとは?
ひきこもりは厚労省によると、「就学、就労、交遊などの社会的参加を回避し、原則的には6か月以上にわたって、おおむね家庭にとどまり続けている状態」と定義されています。
【ひきこもりのステージ】
ときどき外出する(週2~3日)軽度
家からほとんど出ない(週1日以下)中等度
部屋からもほとんど出ない重度
ひきこもりによっては、眠れない、食欲がないなどの問題や、家族関係や経済問題などの支障があり、更に本人や周りの人が苦悩を抱えている場合を病的ひきこもりと考えられています。
【ひきこもりの人の声】
社会の一員としてに居場所がないのはとてもつらい
自分はダメ人間だと思う
外に出たいこともあるが、人の目が気になって出られない
なまけていると思われるのが嫌だ
本人がつらさを感じていないケースもあるが、ひきこもりの状態が長く続くと、つらさ、寂しさ、孤独感が高まり内心苦しんでいる人も少なくないといいます。
ひきこもりは、2000年前後は若い世代が中心、現在は中高年化、長期化しているとが問題だといわれています。例えば、80代の親と50代もひきこもりの子が同居しているなどのケースが挙げられます。
何故ひきこもる?
【対人関係】
一般に学校や職場の対人関係での挫折や不信感が、ひきこもりにつながりやすいといわれています。ひきこもりの人は、中学校や高校で不登校を経験している人が少なくないといいます。また、退職や解雇などをきっかけにひきこもることもあるといいます。
【うつ病】
自分はだめ人間だといった罪悪感や意欲低下によって外に出たいと思わなくなるといいます。眠れない、眠り過ぎる、疲れやすいなどの症状があると、昼夜が逆転して通学や通勤が難しくなると考えられています。
他には社交不安障害、発達障害、統合失調症などが挙げられます。ひきこもりの正しい理解と支援のため心の病気や不調をチェックする必要があると考えられています。
また心の病気はなくとも、ひきこもっていること自体、自分を肯定できない・生きづらい・孤独感を持ってしまうので、心理的支援や社会的支援が大事になってくるといいます。
どこに相談する?
ひきこもりの人やその家族の相談窓口として、ひきこもり地域支援センターが都道府県や政令指定都市に設置されています。医療、雇用、福祉などの機関と連携して支援を行っています。家族会などの民間団体とも連携するといいます。
【ひきこもの医療機関の対応例】
・心理テスト:ひきこもりを客観的に判断。
・心の病気チェック:診断されれば治療、グレーゾーンでも対処。
・カウンセリング、精神療法、グループ精神療法(ひきこもりの人たちが交流できる場を設置)
・家族向け教育プログラム
※ひきこもりの相談までに平均数年かかっているのが実状、社会全体がひきこもりを正しく理解して、ひきこもりの方に共感し支援していくことが重要だと考えられています。