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真の希望は絶望から生まれる!?

コロナ禍の中で、就職が全滅。絶望しているというような悩みは多いのではないでしょうか。絶望について深く考察した哲学者の三木清がヒントを与えてくれるかもしれません。

三木清氏は明治から昭和にかけて激動の時代を生き抜いた哲学者。友人から運の悪い男といわれていたようで、波乱に満ちた人生を送った人です。

兵庫県の農村に生まれ育った三木清(明治30-昭和20)は、大正6年20歳で京都帝国大学文学部哲学科入学、日本を代表とする哲学者西田幾太郎の弟子になりました。

その後ドイツに渡り、20世紀最大の哲学者の1人マルティン・ハイデガーに師事しました。彼が生み出した最新の哲学を学んだといいます。更にソクラテス、プラトン、パスカル、ニーチェを学び自らの哲学を作り上げていったといいます。

大正14年帰国後波乱の人生の幕が上がるのでした。京大教授が確実視されていたが、女性問題の噂で失脚。上京し在野の哲学者として活動しますが愚直な生き方が災いします。

日中戦争が勃発し、昭和13年国家総動員法成立、日本が本格化的に戦時体制になっていく中、三木清は繰り返し下記のように公言していたといいます。

『ドイツは負け、ヒットラーは自殺する」「日本はアメリカ軍に占領される。今から英会話をマスターしとけ!』

軍部に睨まれていた三木清は、治安維持法違反で逮捕2回。2度目の投獄は終戦間近の昭和20年3月、終戦後の1か月後の9月に奥多摩刑務所で獄死します。享年48歳。

三木清の人生哲学の集大成が「人生論ノート」には、『幸福を単に感性的なもの考えることは間違っている』一節があり、絶望の中で希望を見い出すヒントが隠されているといわれています。

絶望とは何か?
例えば絶頂期から落ちた時に、過去の栄光が忘れられず前に進めない。

偽りの幸福を捨てられない。成功=幸福と勘違い 

どうしたら希望を持てるのか?
本当の幸福を大切にする。

断念することを欲しない者は、真の希望を持つこともできない。

絶対だと思い込んでいる価値観を疑ってみるべし。懐疑が必要。

懐疑 → 断念 → 希望 ※絶望こそ希望へのチャンス

絶望から希望を持ち幸福になるには、断念して自分に大切な芯を残すことではないだろうか。

それは自分が捨てられないものを見極めることなのかもしれない。

三木清が最後まで断念しなかったものは、先達から学び自ら生み出した智慧を伝えることでした。