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もし住む場所がなくなったら?

高齢者、障害者、一人親世帯、元受刑者、虐待の被害者など部屋を借りるのが困難な人達がいます。そのようないわゆる住宅確保要配慮者に寄り添う人情不動産屋がいるのです。

事業に失敗した人のケース
多角経営していたその人は事業に失敗して、担保になっていた不動産を競売にかけられ住む家を失ってしまいました。この人はアルコール依存症でもあります。

不動産屋を6件訪ねたが全て断られていました。彼は生活保護を受けています。7件目の不動産屋は、岡山市の生活保護の上限家賃37000円以内の部屋を紹介してくれました。

どうしていとも簡単に紹介できるのでしょうか。その人情不動産屋は、大家さんに何度も会ってお願いするいいます。また何か問題が起きたら、その人情不動産屋が責任を取るといったことの実績の積み重ねで物件を確保していったようです。

人情不動産屋との約束があります。仕事を見つけてやがては生活保護を受けずに生活することです。自分の力でお金を稼いで、自分の力で生きていくところまで戻るといいですね。

本人はこの先どうやっていったらいいかというところ、しっかり考える場所が持てたというだけでも幸せだといいます。諦めかけていたものを持てたのだから奇跡としか言いようがないと…

コロナ禍の影響で
配管工の50代の男性は、コロナ禍の影響で解雇され途方に暮れて10日間何も食べておらず当時の所持金33円。市役所からの連絡でその男性に部屋を紹介しました。

50代の男性の手は、指が太くなっていてあちこちの指が切れていた。長年にわたり大変な仕事をしてきた証しです。人情不動産屋はお米の差し入れをしました。

コロナ禍の影響で職を失う人も多いのではないでしょうか。同時に住む家がなくなったしまったら大変です。我が身に起こったらと想像するとぞっとします。

人情不動産屋
岡山市の不動産屋 阪井ひとみさんです。目の前に本当に困っている人がそこにいたら、そこの横を素通りできないといいます。家と共に人生も一緒に探すおばちゃんです。

阪井さん曰く、「不動産というよりは人を幸せにする家をもう少し考えていけたらなと思います。辛い涙を笑える涙に変えてあげたい…」

娘にいわせれば、採算を考えたら人の心のことまで追いかける必要性はないと。ただ「家があれば人は変われる」と教えてくれたのは親の背中…

岡山県では居住支援協議会を設立。住宅確保要配慮者への賃貸物件紹介・協力業者の不動産屋は40社にもなった。それが全国にも広がってきています。