スポンサーリンク

なぜ夜に衝動買いをしてしまう?

サンケイリビング調べ(2020年6月)によると、衝動買いをしてしまうが58%、また東証マネ部調べでは高級時計やブランドバッグなど高額商品が多いという。

<消費行動学 東京国際大学 平木教授>
自由を取り戻そうとするから
私達は我慢するための心的エネルギーを持っている。日中はそのエネルギーを消費している。夜になるとその我慢するエネルギーが枯渇している状況。

そんな時に起こるのが心理的リアクタンス=自由を制限されると自分の自由を取り戻そうとする心理現象。

【実験】
大学生が教室にスマホを持ち込んでいいグループと、スマホ持ち込み禁止グループに分けて中学生程度の計算問題を実施。

終了後にお礼として粗品を準備していた。スマホありの方は平均1個に対して、スマホなしの方は平均2個、中には6個も持ち帰った学生がいた。

今の若者はスマホがないことがかなりのストレスになると考えられる。それでも昼はまだ我慢するエネルギーが残っている。

夜の衝動買いは1人で自分の本能に従って買う買い物。買い物行動そのものを楽しんでいる。もしかしたら翌朝後悔するのも織り込み済みなのかもしれない。

<時間生物学 岡山大学大学院 吉井准教授>
体内時計が乱れているから
日が沈んでも現代は無理やり光がついているので体内時計がおかしくなってしまう。それで衝動買いをしてしまう。

【実験】
6~18時まで12時間ハエに光を与える。朝と夕方が活動量が多い。昼は寝ている。

20時間ハエに光を与える。4時間夜。このケースではだらだらと活動する。体内時計が乱れて動きにメリハリがなくなる。

時計遺伝子=脳の一部の神経細胞で働く遺伝子。体内時計の歯車となるもの。

朝型と夜型は遺伝で決まっているので動かせないという。朝の方がストレスを感じやすい。夜の方がストレス対応ホルモンが出ているので安定。

つまり生活リズムがしっかりしていれば、ストレスを感じにくいということにはならない。

<文化人類学 立命館大学大学院 小川教授>
非日常だから
私達の生きている世界は、毎日刺激と誘惑で溢れている。それでも日常の私というものの中で我慢している。無駄なものは買わないと気を配りながら我慢して日々を暮らしている。

しかしずっとそのようなある意味緊張している状態は続かない。たまに非日常的な状況を作り出さないと、日常生活そのものをぶち壊したくなる。

コミュニタス=日常的な社会的規範や関係を示す構造と対立する概念。時々はめを外すと、日常をフレッシュな気持ちで生き直せる。

お金を自分で貯めているだけではそのお金は何にもならない。パーティーや友人が困った時に使うと人間関係や社会関係ができる。

モノを買えばそのモノを買った相手との人間関係ができたり、少なくとも自分のお金が循環して社会を作っている。

衝動買い、衝動おごりをしながら社会を活性化させている。自分が困ったら「何かしてあげる」と思ってくれる人は500人いる。

500人がそれぞれ違う状況にいて違うことができる。かしがあればそのかしを返して貰えるかもしれない。相互扶助的な。

そのような人間関係を作るために衝動買いをするのは良いことかもしれない。