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腎がんに対する進化する治療とは?

腎臓のがんは腎がんと腎うがんに分けられ、約9割が腎がんといわれています。国内では年間約7500人が発症し、50歳頃から増加して70歳代までは年とともに多くなるといいます。

腎がんとは?
腎皮質で血液をろ過して尿をつくり、その尿を腎うに集めてからぼうこうに送り出しているといいます。腎皮質にできるのが腎がんで、腎うにできるのが腎うがんになります。

腎がんの原因ははっきりとは分かっていませんが、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が関係すると考えられています。

特にリスクが高いのが、透析治療を受けているなど腎臓の状態がよくない人です。腎機能が低下しているために、体内に毒素が溜まりやすいことが影響すると考えられています。

腎がんは早期には自覚症状がほとんどないといいます。進行すると、血尿、脇腹の痛み、脇腹のしこりなどの症状が現れることがあるといわれています。

腹部の超音波検査を受けることが早期発見につながると考えられています。早期発見するためには、40歳頃から年に1回腹部の超音波検査を受けることが推奨されています。

職場の健康診断で腹部の超音波検査がない場合は、人間ドックが推奨されています。腎がんが疑われる場合、確定診断のためにCT検査が行われるといいます。

手術で早期がんを根治する
腎がんが腎臓の中にとどまっている場合を早期がんといい、直径は大体7cm程度までです。直径が4cm以下の場合、主にがんとその周囲の組織だけを切除する部分切除が行われるといいます。

直径が4cmを超える場合、がんがある側の腎臓を全て取り除く全摘出が行われることが多いといいます。糖尿病や高血圧、脂質異常症などがある場合は、残ったもう1つの腎臓に負担がかかりやすくなるため、直径が4cmを超えていても部分切除が行われることがあるといいます。

腹くう鏡手術
腹部に小さな穴を開け、そのから炭酸ガスを送り込んでお腹を膨らませ、そこにカメラのついた腹くう鏡や手術器具を挿入して、中の様子をモニターで見ながら手術を行うといいます。

きずが小さく負担が少ないためほとんどのケースで腹くう鏡手術が行われるといいます。2016年からはロボット支援による腹くう鏡手術による腎がんの部分切除も、健康保険が適用になったといいます。

ロボット支援による腹くう鏡手術は、国内で約220施設で行われているといいます。

開腹手術
お腹を大きく切開して行います。主に腎がんの直径が10cm以上と大きい場合や、がんが腸や肝臓など周りの臓器に食い込んでいる場合などに行われるといいます。

がんの進行を抑える薬
腎がんが腎臓以外の臓器やリンパ節に転移している場合を進行がんといいます。進行がんで転移の箇所が少ない場合は、手術で腎臓の全摘出を行ってから薬による治療を行うといいます。

転移の箇所が多い場合は、手術は行わずに薬による治療が行われるといいます。分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬が使われるといいます。

分子標的薬(血管新生阻害薬)
がんに栄養を送る血管を作らせないように作用してがんの増殖を抑えるといいます。腎がんに対する主な分子標的薬は、スニチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、アキシチニブです。いずれものみ薬で1日1~2回服用するといいます。

免疫チェックポイント阻害薬
がんを攻撃する免疫細胞の働きを高めるといいます。腎がんに使われる免疫チェックポイント阻害薬は、イピリムマブ、ニボルマブ、アベルマブ、ペムブロリズマブの4種類で、いずれも点滴で用いられるといいます。

腎がんに対する薬の併用療法(1次治療)
多くの場合、作用の異なる複数を組み合わせて使う併用療法が最初に行われるといいます。

イピリムマブ+ニボルマブ

アベルマブと+キシチニブ

ペムブロリズマブ+アキシチニブ

こうした併用療法により、がんの進行を防いだり小さくできたりするケースがあるといいます。但し高い頻度ではないが重い副作用が出ることがあるといいます。

疲労感、下痢、腎機能障害、肝機能障害、糖尿病、甲状腺機能異常、間質性肺炎などが起こりやすいため、定期的に採血し副作用をチェックしていくといいます。

薬による治療は効果のあるかぎり継続して行うといいます。効果が次第に低下してきたり不十分だったりした場合は、まだ使用していない薬に切り替えて治療を行うといいます。

薬を切り替えながら長く治療を続けることで、腎がんの進行を長期にわたって抑えることが可能になると考えられています。