脂肪肝やウイルス性肝炎など肝臓の病気がある人は、国内で1300万人以上と推定されています。症状が現れないため、気づいた時には肝硬変や肝臓がんになっていることもあるといわれています。
肝機能はなぜ大事?
1.解毒剤
有害な物質・老廃物 → 無害・水に溶けやすく → 尿と一緒に排出
例:アルコール → 酢酸、アンモニア → 尿素・窒素
2.栄養素の加工・貯蔵
炭水化物のブドウ糖 → グリコーゲンにして肝臓内に貯蔵 → エネルギーが必要な時にブドウ糖に戻す
3.体温の維持
必要に応じて肝臓内に大量の血液を循環させる
4.消化を助ける
胆汁をつくる → 食べ物特に脂肪を消化
※肝臓は沈黙の臓器、病気が進行しない限り異変に気付かない。それは、肝臓には痛みを感じる神経がないためだといいます。
早期発見には健康診断の肝機能検査で肝臓病なのかチェックできるといいます。
肝機能検査には、AST、ALT、γ(ガンマ)-GTPの3項目があり、血液検査で調べます。1つでも基準値より高いと、肝機能異常と診断されるといいます。2次検査が奨められます。
いずれも肝臓の中で働く酵素。肝臓の病気により肝臓の細胞が壊れると、これらの酵素が血液中に流れ出るので、血液検査の数値が高くなると考えられています。
但しγ-GTPは、前の日に酒や薬を飲むと一時的に高くなることがあるといいます。人間ドックを受ける男性のおよそ3人に1人が肝機能異常と診断されるようです。
2次検査が奨められるのは?
1.家族に肝臓病のある人がいる
C型やB型肝炎の場合は、血液・体液を介して感染することがあるといいます。
2.尿の色が濃くなった
古くなった赤血球を肝臓が分解する過程でつくられる、ビリルビンという黄色や緑色をした物質があるといいます。
ビリルビンの多くは、肝臓から胆管を通り十二指腸に運ばれ便に含まれて排泄されます。
ところが肝機能が低下すると、ビリルビンは胆管を素早く通過できなくなり、周りの血管に漏れ出します。それが尿として排泄されるため、オレンジや紅茶のような色に尿の色が濃くなるのと考えられています。
3.あぶらっこいものを食べなくなった
肝臓は食べ物から吸収された脂肪を処理する働きがあるといいます。肝機能が低下すると、脂肪を処理しきれなくなるため、自然にあぶらっこいものを食べたくなくなるといいます。
4.年々体重が増えている
脂肪肝になっている可能性があるといいます。中年男性、閉経後の女性に多いといわれています。
5.お酒を毎日のように飲んでいる
肝臓にはアルコールを処理する働きがありますが、その量が多くなるほど肝臓に負担がかかるので、アルコール性の肝臓病になりやすいといいます。
※AST、ALT、γ-GTPが2年続けて3つとも高い場合は必ず2次検査を受けて頂きたいです。
肝臓病の診断
・肝炎ウイルス検査
C型肝炎ウイルスやB型肝炎ウイルスに感染していないかどうかを採血して調べます。
・肝線維化マーカー検査
肝臓の硬さを調べる。血液中に線維の成分であるⅣ型コラーゲンなど量を調べることで、肝臓がどの程度硬くなっているかが分かるといいます。
・腫瘍マーカー検査
肝臓がんの可能性を採血して調べます。
・超音波検査
体の外側から肝臓に超音波を当て肝臓の断面の画像をみることで、肝臓の状態を調べます。脂肪肝がないかどうかが分かるといいます。
※2次検査でウイルス感染や、脂肪肝、線維化などが分かった場合は、肝硬変を発症しているかどうかを調べる必要があるといいます。
そこで行われるのが、超音波エラストグラフィやMRエラストグラフィなどの画像検査になります。
皮膚の上から肝臓に振動を与え、その波が伝わる速度を計測することで、肝臓の硬さを色分けして表示します。やわらかい部分は青く表示され、硬い部分は赤く表示されます。
これらの検査で肝臓の状態を詳しく確認して、肝臓の病気の診断と治療が行われるといいます。


