それは筋肉や骨、関節、神経などに障害のでるロコモティブシンドロームかもしれません。それを放置していると、転倒して骨折することが増えて要介護状態になるかもしれません。
ロコモとは?
ロコモティブシンドロームは、体を支えて動かす運動器の障害により、立つ・歩くといった機能が低下した状態のことをいいます。
運動器とは、骨、神経、筋肉、関節などの総称です。骨は体を支えて姿勢を保ちます。神経は体を動かすための情報を筋肉に伝えます。筋肉は収縮して関節を動かします。関節は体重の移動を助けます。
これらが連携して働くことで体をスムーズに動かすことができ、速く歩くことができるといいます。ところが、これらが機能が低下してロコモになると速く歩けなくなると考えられています。
ロコモティブシンドロームの原因は、運動習慣のない生活、例えばエレベーターやエスカレーター、自動車ばかり利用していると筋肉や骨が衰えてしまうといいますす。また、やせすぎや肥満も原因になるといいます。
やせすぎると骨が弱くなり筋肉量が減ります。肥満すぎるとひざ関節にダメージを与えるといいます。こうした生活習慣を続けているとロコモになりやすいといわれています。
腰痛やひざの痛みも感じやすくなるといいます。何も対策をしないでそのままの状態を続けていると転倒、骨折、介護が必要な状態を招く恐れがあるといわれています。
自分でロコモ度をチェック
2ステップテスト:長めのメジャーを用意し、平らな場所で滑りにくい靴を履くか裸足で行います。誰かに見守ってもらいながら行うようにしましょう。
1.両足のつま先を合わせます。
2.ジャンプしないように、できるだけ大股で2歩歩き、両足をそろえます。バランスを崩したら最初からやり直します。
3.スタートラインから、歩き終えたところのつま先までの距離を測ります。これを2回測ってよかったほうの記録を採用します。
2歩幅(cm)÷身長(cm)= 2ステップ値
2歩幅270cmで身長が174cmの場合は、1.55。1.3未満だとロコモ度1と判定し、ロコモティブシンドロームが始まっていると考えられるといいます。
2ステップ値1.55 は問題ありません。2ステップテストは下半身の筋力、バランス能力、柔軟性など、歩行能力が総合的に判断できるといいます。
ロコモ度1の場合は、筋肉や骨を維持・強化することが推奨されています。そして少しずつ運動を習慣化し、食事ではたんぱく質やカルシウムなど摂るように心がけましょう。
ステップ値が1.1に達していない場合、ロコモ度2と判定するといいます。このままだと自立した生活ができなくなる可能性があると考えられます。
日常的に腰や脚に痛みやしびれを感じる場合は、運動器の病気の可能性があるといいます。整形外科を受診し、診断や必要な治療を受けるようにして下さい。
痛みやしびれがない場合は、運動を習慣化し、食事ではたんぱく質やカルシウムをしっかり摂るようにしましょう。
下半身を鍛えるロコトレ
ロコトレは日本整形外科学会が推奨している運動だといいます。
スクワット:下半身の筋力を鍛える
1.足を肩幅より少し広めに開いて立ち、つま先は約30度ずつ開きます。
2.お尻を後ろに引くように体を沈めます。つま先より前に出ないようにひざを曲げます。
3.深呼吸するペースでゆっくり繰り返します。体を伸ばしたら休まず次の動きをしましょう。
5~6回を1セットとし、1日3セットが目安。だるさを感じ始めても、もう少し続けると効果的だといいます。
踏み出し運動(ランジ)
1.腰に手を当てて、胸を張った状態で立ちます。
2.片方の脚をゆっくり大きく前に踏み出します。歩幅はバランスを崩さない範囲で。
3.太ももが床と平行になるように腰を深く下げます。
4.蹴って元の位置に戻り、反対側の脚で行います。
目安は両脚5回を1セットとし1日3セット。2つのロコトレは3か月ほど続けると運動機能が改善することが多いといわれています。