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肺がんを手術する場合!?

手術が行えるケースは、限局といってがんが肺のみでリンパ節転移もない場合、がんのそばのリンパ節転移のみの場合で、十分な呼吸機能・体力ある人になります。

肺がん手術後の5年生存率は、1999年 61.6%、2004年 29.6%、2020現在は80%近いと考えられています。成績向上の理由は、CT検査の普及により早期発見の増加と、手術方法の改良によるといわれています。

がんを完全に切除する
がんを切除し肺の機能を残すには、切除する範囲を慎重に選択することが重要です。

肺葉切除術は、がんがある肺葉と周辺のリンパ節をとります。この場合、がんが元々あった場所に再発することはほとんどないといわれています。肺の機能も残ります。

肺全摘術は、がんがある側の肺を全部切除します。がんが大きい、肺の中心部に食い込んでいるなどの場合に行われるといいます。呼吸機能や心臓がしっかりしていて、体力があることが必要です。

縮小手術は、肺の機能を残すために肺葉よりも小さく切除する方法になります。がんの直径が2cm以下で、転移しにくい場合に行われます。CT検査でおとなしいがんであることを確認した上で行われます。

胸腔鏡手術と開胸手術
胸腔鏡手術
背中とわきに約3~5cmの穴をあけ、そこからカメラのついた細い棒状の胸腔鏡や手術器具を入れます。そして、モニターを見ながら手術していきます。

肺がん手術全体のうちこの胸腔鏡手術が約7割といわれています。痛みが少なく、手術後呼吸がしやすいといわれています。また、ロボット支援手術も保険で行えるようになってきたといいます。

開胸手術:約8~10cm、主に進行した肺がんに行われるといいます。血管を切除し、つなぎ直すなど複雑な手術が必要な場合も適しているといわれています。

手術は約3時間程度。入院期間は縮小手術で4~5日、肺葉切除術で1週間ほど、肺全摘術で10日ほどといいます。合併症がないことを確認した上で退院になります。

手術後のリハビリ・対策
1.たんをしっかり出す。大きな呼吸や軽く咳き込んで出す。痛み止めを使いながら。

2.立つ、歩くなどのリハビリ。歩いた方がたんが出やすく肺炎予防になるといいます。

3.呼吸機能のリハビリ。腹式呼吸で肺をしっかり膨らませながら行います。口すぼめ呼吸も推奨されています。

4.定期的に合併症や再発をチェック。退院2週間後に受診し体調をチェック。2年間は3か月に1度、その後半年に1度。

5.再発予防の抗がん剤治療。がんが2cmを超えていた場合、手術後にリンパ節転移が分かった場合は、数か月から2年間続けます。