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全身性エリテマトーデスとは?

国の指定難病
全身性エリテマトーデスは、自分の体を守るために働く免疫の誤作動により、全身の様々な臓器に炎症が起こるという膠原病の1つです。皮膚、腎臓、神経、関節、血管など全身に現れる症状は人によって様々だといいます。

詳しい原因は分かっていませんが、遺伝的な要因に加えて紫外線、ウイルス感染、細菌感染、妊娠・出産、薬、手術等々、何らかの環境要因がきっかけとなって発症すると考えられています。

20~40歳代で発症することが多いのですが、小さい子供から高齢者までどの年代でも発症することがあるといいます。約9割が女性といわれており日本では約6万人の患者さんがいるといいます。国の指定難病になっています。

症状を見逃さない
・関節炎
関節内で炎症が起こり関節に痛みを伴い、初期症状の中で最も多くみられるといいます。

・発熱:38℃を超える発熱。

・レイノー現象
寒さや冷たいものに触れることなどによって、指先の血流が低下し青白くなる現象。数分から10分間ほどで元に戻るといいます。

・蝶形紅斑
鼻から両頬にかけて赤い斑点が蝶のような形に表れる。かゆみや痛みはないのですが、若い女性で日光に当たった後に顔に紅斑ができたらかかりつけ医に相談して下さい。

・全身症状
だるい、疲れやすい、体重の変動、光線過敏症、脱毛、口内炎、むくみ、筋肉の痛み、神経・精神症状、食欲不振。

薬で根気よく治療
〇ステロイド薬
免疫反応や炎症を強力に抑える。飲み薬が基本ですが、重篤な場合は点滴で行うステロイドパルス療法が選択されるといいます。5年生存率は、以前50%、現在は90%以上といわれています。

副作用として、正常な免疫低下による感染症、満月のように顔が丸くなるムーンフェイス、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、骨粗しょう症、不眠、抑うつなどが挙げられます。

但し、急にステロイドを止めるとステロイド離脱症状といって、倦怠感、血圧低下などが起こり重症の場合はショック状態になることもあるといいます。自己判断でステロイド薬を減らしたり止めたりすることを絶対に行わないで下さい。

〇ヒドロキシクロロキン
のみ薬で、関節痛や皮膚症状に有効、1~2月で改善がみられ蝶形紅斑も抑えることができるといいます。副作用は頻度は低いものの、まれに網膜症が起こることがあるといいます。

〇免疫抑制薬
免疫の働きを抑えることで症状を改善させる薬。ループス腎炎ではステロイドと併用するといいます。シクロホスファミドとミコフェノール酸などが有効。但し胎児に影響する可能性があり、妊娠を希望する場合は、事前に薬の変更について担当医に相談して下さい。副作用は貧血、骨髄抑制、感染症などが挙げられます。

〇生物学的製剤
特定の免疫物質の働きを抑制することで症状を改善させる薬。標準的な治療を行っても効果が現れない場合、2017年からベリムマブが使用されるようになったといいます。副作用としてはアナフィラキシー、感染症などが挙げられます。