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効果的な女性の更年期対策とは?

たとえ若く見える女性でも、年齢を重ねれば女性ホルモンは減少し更年期が訪れます。最近行われたアンケート調査によると、更年期症状があっても何もしていないと回答した人が64%にも上ったことが分かりました。

更年期障害の診断
ある人にとってはそれほど気にならない症状でも、ある人には生活に支障をきたすほど辛く感じられることもあるといいます。このように更年期障害は主観的な病気ということができ、問診が重要だといいます。

【問診の主な項目】
・症状
どんな症状がつらいのか、いつ頃はから始まったのかなど、質問紙を使って症状を点数化し評価する。

・月経
初経や閉経の年齢、月経の周期・日数、月経不順の有無、妊娠・出産の有無など。1年以上月経がなければ、さかのぼって閉経とみなす。

・その他:生活環境やストレスなど

【血液検査】
血液中の女性ホルモンと、女性ホルモンを分泌するのに必要な脳下垂体ホルモンの数値を調べる。現在のホルモン状態を把握するためには、間をあけて2回は血液検査を行う必要があるといいます。

ホルモン補充療法
更年期障害の原因は、女性ホルモン特にエストロゲンの減少とゆらぎです。不足したエストロゲンを薬で補い、ゆらぎを小さくするのがホルモン補充療法になります。

エストロゲン製剤には、貼り薬、ジェル状の塗り薬、のみ薬があります。貼り薬と塗り薬は、皮膚から吸収されるので、肝臓や胃に負担がかからず、副作用が少ないと考えられています。どの剤形でも効果は同じで、全て健康保険が適用されます。

子宮がある場合、エストロゲンと黄体ホルモンを併用。手術で子宮を摘出している場合はエストロゲンのみとなります。

エストロゲン製剤だけを半年以上使うと、子宮の内膜が増殖して、子宮体がんのリスクが高まることが知られています。そのため、黄体ホルモン製剤も併用するといいます。黄体ホルモンには内膜の増殖を防ぐ働きがあるからです。

エストロゲンが補充されると、乱れていた自律神経のバランスが整い症状が改善してくるといいます。特にホットフラッシュに高い効果を発揮するといいます。またイライラが改善したり、記憶力や集中力が戻ったりして、自信を取り戻して前向きになる人も沢山いるといいます。

他には、骨粗しょう症や動脈硬化の予防、悪玉コレステロールの低下、認知症のリスクの低下、コラーゲンを増やし、皮膚や粘膜に潤いを与える、胃がんや大腸がん、食道がん、肺がんのリスクの低下などの効果も報告されているといいます。

副作用としては、不正性器出血や乳房の張りや痛み、胃のむかつきや吐き気などが挙げられます。多くは1か月から3か月程度で治まることが殆どだといいます。ごくまれに血栓症を引き起こすことがあるといいます。使い始めの時期に慎重に様子を見るといいます。

乳がんや脳卒中、心筋梗塞にかかったことがある人は、ホルモン補充療法を受けることができません。また、喫煙や肥満がある人は血栓症のリスクが高いので、担当の医師とよくご相談下さい。

乳がんになりやすい?
20年ほど前には、ホルモン補充療法によって乳がんの発症が増加するという報告があったといいます。

その後の研究で、ホルモン補充療法が乳がんの発症に与える影響は、肥満やアルコール摂取が与える影響と同程度で、影響はとても小さいということが分かってきました。

現在では定期的に乳がん検診を受けていれば、ホルモン補充療法を5年以上続けることも可能だといいます。但し、血縁者に乳がんや卵巣がんを発症したことがある人がいる場合、遺伝的に乳がんになりやすい可能性もあります。長期のホルモン補充療法を行うかどうかは、担当医とよくご相談下さい。

漢方は体質に合わせて
漢方では、症状だけでなく証(体力・体質・性格)などを総合的に診て、1人ひとりに合った薬を処方するといいます。同じ症状でも人によって処方される薬が異なり、季節によっても処方される薬が変わることもあるといいます。

漢方薬は殆どの婦人科や内科で処方しています。更年期障害の診断がついていれば、健康保険も適用されます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力が弱く、冷え症で貧血の傾向があり、疲れやすい人に向いているといいます。

加味逍遙散(かみしょうようさん)
体力が普通から弱い人で、のぼせや肩こり、疲れやすい、不安、イライラといった症状がある人に向いているといいます。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的体力があり、肩こりや頭痛、めまい、のぼせ、足の冷えなどの症状がある人に向いているといいます。