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男性にもある更年期障害!?

疲れがとれない、意欲がわかないなどの症状を、年のせい、ただの疲れと見逃しがちですが、これらは男性の更年期障害かもしれません。

男性ホルモンの分泌の低下が始まる40歳代以降では、どの年代でも起こる可能性があり、自己実現や社会での評価、貢献度でもテストステロンの値は変わることが分かってきています。

この症状はもしかして?
【テストステロンの働き】
1.筋肉や骨を強くする、そして社会活動を支える。
2.生殖機能、つまり男性の性機能を保つ。
3.物事を判断する、あるいは物事を理解する、広い意味で認知力、認知機能を高める、維持するなどの働き。

そのため、テストステロンの分泌が低下すると、体と心に様々な影響が現れるといわれています。

【体の症状】
筋力の低下や関節痛、筋肉痛、異常発汗、ほてりなどで女性の更年期障害と似た症状が出るといいます。他にも肥満、頻尿などや、男性特有の症状として、性欲の減退や勃起力の低下などが起こるといいます。

【心の症状】
調子が悪いといった健康感の減少、興味や意欲の喪失、眠れない、不安感、うつ症状、そして集中力や記憶力の低下などが現れるといいます。

セルフチェック
1.性欲が低下した
2.元気がない
3.体力が低下した
4.身長が低くなった
5.毎日の楽しみが少ない
6.もの悲しい・怒りっぽい
7.勃起力が弱くなった
8.運動能力が低下した
9.夕食後にうたた寝をする
10.仕事がうまくいかない

10項目のうち、1と7の両方に該当、または全体のうち3つ以上の項目に該当する場合は、更年期障害の可能性があると考えられます。医療機関の受診が推奨されています。

医療機関では、AMS調査票という問診票を使って、体や心の症状、性機能の低下の有無や程度を調べます。17項目の質問があり、それぞれの答えに0~5点の点数をつけます。17項目で50点以上になる場合は、治療を受ける必要があるとされています。

血液検査は、採血して血液の1dL中のテストステロン値が300~350ng以下で、心や体の症状が強く現れている場合は、性腺機能低下症と診断され、治療の対象となるといいます。

テストステロンは社会性ホルモン
テストステロンの分泌には、加齢よりもむしろ生活習慣や社会との関わりが深く関係していることから、テストステロンは社会性ホルモンとも呼ばれています。生活リズムの乱れや社会との関わりの減少によって、男性ホルモンが減ってしまうと考えられています。

年齢にかかわらず、社会的な役割を持ち、趣味などで人生を楽しんでいる人は、テストステロンの分泌が低下しにくいといわれています。また、社会の中で役割を与えられたり、評価されたりするとテストステロンは回復することがあるといいます。

重大な病気のリスクも
テストステロンには、臓器の機能を維持し炎症を抑える作用があるといいます。テストステロンが減少すると、中性脂肪やコレステロールの代謝が低下したり、内臓脂肪や皮下脂肪が増えやすくなるといいます。

その結果、肥満や糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を発症するリスクが高まり、動脈硬化の原因にもなると考えられています。

また、テストステロンには血液の流れをよくする働きがあることが分かっています。テストステロンの減少を放っておくと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞、狭心症、脳卒中といった命に関わる病気のリスクが高まるといいます。

他にテストステロンには、記憶をつかさどる海馬を活性化させる働きもあるので、減少することで認知機能が低下し、認知症につながる怖れもあると考えられます。

男性の更年期障害が疑われる場合は、泌尿器科を受診して下さい。メンズヘルス外来や男性更年期外来などの専門の外来を設けている医療機関もあるので、地域の医療機関へお問い合わせ下さい。