病気を起こすメカニズム
内臓脂肪が溜まり過ぎると、炎症を起こし生理活性物質のバランスが崩れるといいます。
血糖値を上げるTNF-α過剰になり、血糖値を下げるアディポネクチンの分泌が減少し糖尿病になりやすくなるといいます。
また、血圧を上げるアンジオテンシノーゲンの分泌が過剰になり、血圧を下げるアディポネクチンの分泌がが減少し高血圧になりやすくなるといいます。
更に血液を固まりやすくして出血を防ぐPAI-1が過剰になり、血栓ができやすくなり血管が詰まって脳梗塞や心筋梗塞をき起こしやすくなると考えられています。
脂肪肝になると脂肪性肝炎になり悪化すると肝硬変さらに進行すると肝がんなるといいます。糖尿病・高血圧などで腎臓に負担がかかり腎臓病になることもあるといいます。
内臓脂肪が胃を圧迫して逆流しやすくなり胃食道逆流症になることもあるといいます。
認知症やがんとの関係
【認知症】
30~50代に肥満だと認知症になりやすい、高齢になってからの肥満は影響が少ないことが分かっているといいます。働き盛りの時に太っていると将来認知症になりやすいといわれています。
動脈硬化が進行して脳梗塞を起こし、脳血管性認知症を発症することが肥満が関連する認知症で一番多いといいます。
内臓脂肪が増えるとインスリンの働き悪くなると、認知症の原因アミロイドβが脳に溜まりやすくなるので、アルツハイマー型認知症も発症しやすいと考えられています。
【がん】国立がん研究センターの18万人調査の結果。
脂肪細胞が分泌するアディポネクチンには、細胞の増殖を抑える働きもあるのですが、肥満でアディポネクチンの分泌が減るとがんの発症率が高くなるといわれています。
・閉経後に起こる乳がん:肥満との関連が確実、閉経前でもBMI30をこえると乳がんになりやすい。
・大腸がんと肝がん:肥満との関連がほぼ確実、男性に多い。肥満の肝がんのリスク1.74倍に。
・子宮内膜がん:肥満と関連している可能性がある。
新型コロナ重症化
アメリカのデータでは、肥満の人が新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいといいます。重症化した人の死亡割合は、肥満が3人に2人、肥満でないは3人に1人。
内臓脂肪が増えると炎症が起こりやすくなり、サイトカインストームといって免疫の暴走が起こりやすくなるといいます。
その結果、臓器が傷ついたり血栓ができやすくなると考えられています。これが重症化の1つの原因となっているようです。
また肥満は、感染リスクも高めるといいます。コロナウイルスはアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体にくっついて入ってくるといいます。
脂肪細胞にはこのACE2受容体が多く、肥満の人はウイルスが体内に侵入しやすいということが分かっています。
また肥満だと肺が大きく広がらないので、呼吸困難で肺炎が重症化して死亡率が高くなるので注意が必要です。肥満にならない適度な運動や食生活に注意しましょう。