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40歳代から増える卵巣がんとは?

子宮の左右に1つずつある卵巣に発生するがんを卵巣がんといいます。早期の症状ほとんどなし、進行すると下腹部の張りしこりなどが現れるといいます。

現在のところ、有効な検診や早期発見の方法がないといわれています、但し、卵巣がんは比較的抗がん剤が効きやすいことが分かっています。

リスクに注意
卵巣がんは、卵巣に発生するものや、卵管采から発生し卵巣に及ぶもの、卵巣チョコレートのう胞から発生するものがあると考えられています。

1.妊娠・出産歴がない
排卵時には卵巣から卵子が飛び出し、卵巣が傷つくといいます。その度に卵巣は損傷と修復を繰り返しています。

その過程で何らかの原因で、がんが発生することがあるといいます。そのため生涯の排卵回数が多くなるので、卵巣がんの発生リスクが高くなるといわれています。

2.年齢が40歳代以上
排卵の回数が増えるほど、リスクが高くなると考えられています。進行すると食後以外にお腹がでている、尿が溜まっていないのに圧迫感がある、お腹が風船のように出てくるなどが現れるといいます。

卵巣がん以外の場合もあるので、気になる症状がある場合は医療機関を受診して頂きたいです。

3.卵巣チョコレートのう胞がある
卵巣に子宮内膜が増殖する卵巣チョコレートのう胞がある人は、卵巣がんの発生する可能性が約1%あるとされています。

のう胞が大きい場合は、がん化を防ぐために、手術で摘出することが推奨されています。また定期通院時に、経腟超音波検査で卵巣の状態もチェックして貰うと良いでしょう。

4.家族・親戚に卵巣がん・乳がん歴がある

遺伝性の卵巣がん
卵巣がんの約1割には遺伝的要因が関与しているといわれ、血縁者に卵巣がんや乳がんを発症したことのある人がいる場合は、リスクが高いといわれています。

原因としてBRCAという遺伝子に変異があるためで、両親のどちらかに変異がある場合、子供に50%の確率で変異が受け継がれるといいます。ただ変異があっても、発症するかは個々のケースで異なるといいます。

遺伝性のがんに心当たりがある場合は、全国のがんセンターや大学病院の遺伝カウンセリング外来や家族性腫瘍外来でご相談下さい。必要だと判断された場合は、血液検査による遺伝子検査が行われるといいます。

BRCA1とBRCA2のどちらかに変異がある場合、80歳まで卵巣がんの発症リスクは BRCA1 44%、BRCA2 17%と報告されています。予防的に卵巣、卵管の切除を行うことで卵巣がんのリスクを下げることも検討されます。

予防的な切除のリスクとして、出産できなくなる、更年期の症状、骨粗しょう症などが挙げられますので、慎重な判断が望まれます。

進歩する治療
ごく早期の場合は、がんがある側の卵巣と卵管を切除し、片側の卵巣を残すことができるケースもあるといいます。

がんの広がり方で、両側の卵巣と卵管、子宮、大網(胃と大腸の間にある膜)の一部を切除。

両側の卵巣と卵管、子宮、大網、腸の一部、リンパ節などを切除してがんを取り除くといいます。ほとんどの場合、手術後には抗がん剤治療が行われます。

抗がん剤治療は、複数の抗がん剤を組み合わせるのが基本、初発はカルボプラチン+パクリタキセルまたはドセタキセルを併用するといいます。

6か月以内に再発した場合は、リポソーム化ドキソルビジン、ノギテカン、ゲムシタビンを使用。6か月以降の再発は、初発の処方に戻るといいます。

分子標的薬は、がん細胞の中の特定の分子に狙いを定めて攻撃したり、増殖を抑えたりするものです。ベバシズマブやオラパリブなどがあります。

ベバシズマブの副作用としては出血、高血圧などが挙げられます。オラパリブの副作用は吐き気、貧血、疲労などが挙げられます。

免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞に働きかけてがん細胞を攻撃させる薬だといいます。ペムブロリズマブは、特定のタイプの卵巣がんに使用できる可能性があるといいます。