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気胸とは?

若年者と高齢者に多い
気胸は肺が破れて縮んでしまう病気。この気胸は、10代後半~20代前半で長身・痩せ型の男性、高齢者で主に喫煙者の男性に多いという報告があります。

若者の場合は、肺の上部の成長と血管の成長にずれが起こり肺が引き伸ばされて肺のう胞ができると考えられています。そののう胞が突如破れて気胸が起こるといいます。

高齢者の気胸は、COPD、間質性肺炎などの肺の持病が影響しているといわれています。対策として禁煙はもちろん、飛行機に乗るなどは避けた方がよいかもしれません。運動は主治医と相談してから行いましょう。

また20代~40代女性が、月経に伴う横隔膜の子宮内膜症やリンパ脈管筋腫症が原因で気胸になることが稀にあるといいます。

気胸の症状は、胸の痛み、呼吸困難、但し症状がない、軽い不快感だけの場合もあるといいます。空気がしぼみ心臓が圧迫されると、血圧低下やショック状態になることもあるといいます。

左右同時に気胸になると呼吸ができなくなることもあるといいます。気胸が疑われる場合は胸部X線検査、胸部CTでは肺のう胞の場所や大きさがよく分かることから推奨されています。

治療の選択
【安静】
肺があまり縮んでいない、自覚症状があまりない場合は軽症と判断され3~4日様子をみるといいます。

【胸腔ドレナージ術】
肺が大きく縮んでいる、安静にしても肺が膨らまない場合に行われます。脇から管を入れて、肺の周りに溢れた空気を吸い出す治療が行われます。心臓に負担がかかるような緊急時にも同様の治療が行われます。

【手術ができない場合の治療】
肺の破れた部分にかさぶたを作る癒着療法、肺の破れた部分に通じる気管支に栓をする治療などがあります。

手術が必要な時
胸腔ドレナージでも肺が膨らまない、気胸が再発した場合に手術が行われます。胸腔ドレナージ後に30~50%は気胸が再発するといわれています。

胸腔鏡を使うことが多いといいます。胸に3か所ほど穴をあけて手術器具を入れます。大きなホッチキスのようなものを使って、肺のう胞を切除しながら同時に縫い合わせるといいます。

胸を切り開くのとは違って、痛みも少なく傷跡も小さく済むといいます。更にメッシュ状のシートを被せて補強して、気胸が再発しないようにすることもあるといいます。シートはやがて肺の一部になるといいます。

高齢者で体への負担が大きい、COPDや間質性肺炎が進行して肺の状態が悪いなどで手術できない場合は、ドレーンを使って患者さん自身の血液を胸腔に注入する癒着療法を行うことがあるといいます。

そうすると、穴の開いている部分にかさぶができて穴がふさがり、肺が膨らんでくるといいます。

また、気管支鏡を口から挿入して、肺に通じる気管支に栓をする治療もあるといいます。こうすれば肺が破けていても空気が漏れていかないといいます。