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前立腺がんの最新治療法とは?

前立腺がんは進行がゆるやかで転移がなければ10年生存率はほぼ100%といわれています。但し、骨など離れた場所に転移すると命に関わることが多いといいます。それでも、治療の進歩により生存率が向上していることは確かです。

前立腺がん治療の基本
前立腺全摘除術
前立腺全摘除術は、前立腺と精のうを摘出し、膀胱の出口と尿道をつなぎます。多く行われているのが腹腔鏡手術だといいます。

放射線治療
放射線治療は、主に体の外から照射する外照射と、体の内側から照射する小線源療法の2つの方法があるといいます。

ホルモン療法
前立腺がんは男性ホルモンによる刺激で増殖するといいます。ホルモン療法は、薬や手術で男性ホルモンの働きを抑えることによって、前立腺がんの増大を防いだり、縮小させたりする方法です。

【限局がん】
前立腺全摘除術や放射線治療を受けられれば、ほとんどの場合10年以上がんをコントロールできるといいます。持病や高齢で体力がない場合などは、ホルモン療法単独も選択肢になるといいます。

ホルモン療法単独では、がんの根治は難しいですが多くの場合生涯がんの進行を抑えることが可能だと考えられています。

【局所進行がん】
手術±放射線治療±ホルモン療法、または放射線治療+ホルモン療法で、転移がなければ長期の生存が望めるといいます。

【転移がん】
主にホルモン療法が行われ、状況に応じて抗がん剤が使われるといいます。

負担が減った手術と放射線
最近は多くの場合、ロボット支援による腹腔鏡手術が行われているといいます。ロボットには3本のアームと1本のカメラがついていて、それらをお腹に開けた穴から挿入します。

医師は少し離れた運転席のような装置で、カメラの映像を見ながらアームを操作し手術を行います。傷口が小さくて済み、出血量が少ないので患者さんの体への負担が少なく、入院期間も短縮できるといいます。

但し、勃起神経や尿道を開閉する括約筋が傷つく可能性があり、性機能障害や尿もれなどの合併症が起こることがあるといいます。効果と合併症のバランスを考えた上で手術を選択することが大切だといいます。

放射線治療:限局がんの場合、外照射(IMRT強度変調放射線療法)と小線源療法(小さなカプセルを埋める)のどちらも選択肢になるといいます。局所進行がんの場合は主に外照射が選択されるといいます。

但し、IMRTは28~29回という長期にわたる通院が必要になるといいます。副作用として、前立腺のむくみ・充血、尿が出にくい、血尿などが挙げられます。

小線源療法は、排尿障害が強く出るといわれています。元々排尿障害が強い人には適していないと考えられています。

選択肢が増えたホルモン療法
精巣から男性ホルモンが分泌されるのを抑える薬の注射、または精巣を摘出する手術が行われるといいます。いずれも去勢術といい、その上で補助的に、のみ薬の抗男性ホルモン薬が使われるといいます。

ほとんどの人が一定期間効くのですが、やがて効果がなくなってきます。この状態を去勢抵抗性前立腺がんといいます。この場合抗がん剤を使います。ドセタキセルとカバジタキセルが効果が高いことが分かっています。

最近ではホルモン薬の開発が進み、4種類になったといいます。アビラテロンは、副腎で男性ホルモンがつくられるのを抑える働きがあり、エンザルタミド、アパルタミド、ダロルタミドの3種類は、副腎などでつくられた男性ホルモンが前立腺の細胞とくっつくのを妨げて、前立腺に作用させないようにするといいます。

2種類の抗がん剤と、4種類のホルモン薬をどのように使うかについては、患者さんの状態に合わせて医師が選択することになります。薬を使い始めてから3か月程度は2~4週間に1回通院して、副作用をチェックすることが必要だと考えられています。