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乾せんの治療法とは?

乾せんは20代~60代で発症がみられ日本では男性が多いといいます。感染患者数は40~50万人と推計されており、増加傾向にあるといわれています。

乾せんはどんな病気?
乾せんは免疫の病気。表皮の新陳代謝が非常に周期が短くなって表皮が赤く盛り上がり、鱗屑といってフケのように皮膚が剥がれ落ちるといいます。患者の半数位はかゆみを感じるといいます。他の人には感染しない。

乾せんが発症しやすい部位は、頭皮、ひじ、腰周り、爪、ひざ、すねなどが挙げられます。

【尋常性乾せん】
一般的に乾せんというと尋常性乾せんのことを指すといいます。尋常性とは普通という意味。比較的境界がはっきりした発疹が現れるといいます。乾せん全体の約80%。

【乾せん性関節炎】
乾せん全体の約15%。皮膚症状に加えて、関節の痛み、腫れや変形の症状が現れ、手足の指やアキレス腱などの部位に発症するといいます。

関節リウマチと間違われやすいが違う病気。関節が変形してしまわないように積極的な治療が必要だと考えられています。

原因は免疫バランス
乾せんになりやすい遺伝的な要因を持った人に様々な環境的要因、ストレスや生活習慣の乱れ、飲酒や喫煙、感染症などが複雑に関与して免疫バランスの異常が起こり、乾せんの発症につながると考えられています。発症原因は全てがまだ明らかになっていない。

正常な表皮は、28日~45日程度のサイクルで新しい表皮に生まれ変わるのですが、乾せんの場合は免疫バランスに異常が起きているので、正常の約10倍のスピードで新しい表皮を作り出していくといいます。

免疫細胞がなんらかの原因で異常に活性化するため、サイトカインというたんぱく質を作り、表皮の増殖や炎症を起こすと考えられています。

また、発疹のような目に見える炎症だけでなく体内部の炎症も進行して、血管の障害や動脈硬化を促進し、心筋梗塞などのリスクが上がるといわれています。皮膚疾患から全身の疾患にまでつながってしまう可能性があると考えられています。

症状に合わせた治療方法
【ぬり薬】
ステロイドや、活性型ビタミンD3軟こうなどを患部に塗る。活性化した免疫細胞を落ち着かせたり、表皮細胞のターンオーバー異常を整える。

【のみ薬】
PDE阻害剤、免疫抑制剤など。過剰に活性化した免疫細胞を抑制・調整し免疫の正常化を図る。

【光線療法】
ナローバンドUVBなどのの紫外線には、過剰な免疫反応を抑制する作用がある。また、制御性T細胞という免疫を調節する司令塔の細胞を増やす作用もある。

【生物学的製剤】
炎症に関わるサイトカインをピンポイントで抑制して症状を改善する。高額治療にはなるが効果が非常に高い。乾せんの特効薬として注目されている。

現在は10剤もの薬が使えるようになり、皮膚によく効くものや、関節によく効くもの、即効性があるものなど様々な特性があるといいます。

このような治療法を用いて、症状がほぼ気にならない状態(寛解)にまで治すことが可能になっているそうです。約9割の症状は抑えることが可能だといいます。