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女性のがん 最新の放射線治療とは?

放射線治療は体にメスを入れることがないので、体への負担が少ない治療といえるでしょう。以前は手術ができない場合に行なわれてきましたが、近年、放射線治療の精度は急速に進歩し、がんによっては放射線治療で根治も目指せるようになってきたといいます。

単独で根治を目指す
早期の子宮頸がんでは放射線が非常に効きやすいといわれ、積極的に放射線治療が行われるようになっているといいます。

【体の外から照射する方法】
・装置の上に仰向けになり、専用の固定具で体を固定。
・装置の上部から放射線が照射されます。
・照射時間 1回15分。
・子宮の周りに小さながんがある可能性があるため、がんを含めて少し広めに照射します。

【体の中から照射する方法】
・放射線を放出する装置につながった器具を子宮に挿入。
・器具の先端から放射線が照射されます。
・器具を体内に入れる必要があるため、1回1時間ほどかかります。
・器具の先端から、強い放射線をごく狭い範囲に絞って照射します。

初めは体の外からの照射を週5回行うといいます。4週目頃からは、週5回のうち1回を体の中からの照射に切り替えて行うといいます。

週当たりの回数は徐々に減らしていき、7週間以内に完了するといいます。外来でもいいですが、副作用のケアなどのために入院して行うこともあるといいます。

放射線治療の長所として、痛みがない、体への負担が少ない、排尿障害の合併症がないなどが挙げられます。

治療中の副作用は、吐き気や下痢など。治療が終われば自然に治まるので、それほど心配はないといいます。症状がつらい場合は、薬で対処することも可能だといいます。

治療後の副作用は、直腸炎による血便、膀胱炎による血尿、小腸炎による腸閉塞などが挙げられます。半年から数年後に現れることもあり、慢性的に残ることが少なくないといいます。定期的に通院して副作用がでていないか確認する必要があるといいます。

他の治療と組み合わせる
精密なコンピューター操作による放射線治療
早期や、やや進行した子宮頸がんの手術後に再発のリスクを抑えるために行われるといいます。IMRT(強度変調放射線治療)と呼ばれ、コンピューター制御でがんの形にあわせて多方向から強弱をつけた放射線を照射する方法だといいます。

通常、量を調節せずに放射線を照射すると、がんの近くにある正常な組織にも、がんに当たるのと同じ量の放射線が当たってしまいます。

IMRTでは、正常な組織に当たる放射線の量は最小限に抑えながら、がん全体に対して十分な量の放射線を照射することができるといいます。

放射線治療+抗がん剤
子宮頸がんの早期から進行したがんまで行われているといいます。

・放射線治療の効果を増強させる。
抗がん剤によって、放射線に対するがんの感受性を高め、放射線治療の効果を増強することが可能だといいます。

・再発、転移を抑える。
全身に作用する抗がん剤を併用することで、画像検査では分からないほどの小さな転移がんを消失させることが可能です。再発、転移を抑える効果が期待できるといいます。

放射線治療の方法は放射線単独で行う場合と同様。放射線治療に加えて主にシスプラチンの抗がん剤を週1回投与するといいます。5週~6週繰り返します。シスプラチンは、がんの放射線に対する反応を高める効果があるといわれています。

症状を緩和する
進行した子宮頸がんや子宮体がんの他、卵巣がんでも限定的に行われているといいます。特に骨に転移した場合、原因となっている転移がんに放射線を照射することで、痛みを抑えることができるといいます。

また、がんが脳に転移した場合、頭痛、めまい、吐き気、おう吐など、様々な神経障害が起こるといいます。こうした症状も放射線治療で改善が期待できるといいます。

更に定位放射線治療といって、1回に大きい線量を多方向から患部のみに照射して治療効果を高めるという方法もあるといいます。駒込病院では、子宮頸がんで7cmを超える巨大な腫瘍に対して、定位放射線治療による臨床試験が行われているといいます。