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レッドカーペットを歩いた

グラミー賞のレッドカーペットを歩いた人は、北九州市戸畑区にある寿司店「照寿司」の大将のWさんだった。どうしてそうなったのだろう?

寿司を握れない
Wさんは祖父の代から続く寿司屋の三代目、大学卒業後和食店で2年間修行して、寿司が握れないまま照寿司に入社。

寿司を握らなくても、トップとしてオーナーとして君臨しようとしたようだ。30歳の時に余計なことをして照寿司最大の危機を招いた。

「関さば」をはじめ全国の高級食材を独断で大量発注した。その額100万円。その後も何か月もの間大量に食材を仕入れた結果、照寿司史上最大の大赤字となった。

盤石の老舗から一転、倒産寸前。父親が何とか駆け回って倒産を回避した。

一流寿司握りYou Tuberに学ぶ
今から15年前ユーチューブで寿司の握りを学んだ。1秒ごとに止めながら、確認しながら3年間という月日をかけて習得した。ようやく寿司への愛が急成長した。

その期間が一番大切だったという。挑戦と失敗と努力をたくさんした。Wさんは人が変わったように働いた。

客にキレた瞬間…運命激変
寿司に真剣になればなるほどあることが気になった。それはお客が話に夢中で寿司を全然食べないこと。

ある日寿司への愛情が爆発、その爆発がWさんとお店の運命を一瞬で変える。「直ぐに食べるのがオススメですよ」と寿司台に乗せず目の前に突き出した。

照寿司の大将 渡邉貴義

お客は「大将、めっちゃカッコいいね!」とスマホで撮影大会となってしまった。ぐいっと突き出した写真の構図、Wさんの絶妙な顔の画像がSNSにアップされた。

それが奇跡的にマッチしてバズりまくった。この画像がもとで口コミが広がっていった。お店の売り上げが10倍にアップした。

「照寿司ポーズ」を見て来店した人が画像をSNSにアップ、ねずみ算的に全国からお客が集まるようになった。お客の90%が県外だという。

その後更に改善していく、メガネを止めてコンタクトに、調理服を柔道着に、日本刀のような包丁、近海で獲れたクエ等々。

グラミー賞の舞台へ
寿司屋の高級店では静かに過ごすことが外国人とっては敷居が高いようだ。ところが照寿司ではエンターテインメントが味わえる。

いつの間にかお客の4割が外国人になった。中には照寿司を食べるためにだけブラジル、ロシアなど海外からの来るお客もいるという。

「4か月限定で照寿司と同じ体験を売る」というオファーがきた。ニューヨークでも大バズり、初日から4か月間ずっと満席。初の海外進出は大成功。

オファーをしたカード会社のCEOからグラミー賞にVIPとして招待され、Wさんはレッドカーペットを歩いた。

照寿司の大将Wさんは渡邉貴義さん。ちなみに夜のおまかせコースは3万8,500円(2021年11月3日現在)。