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苦手な人っていますか?

どうしても合わない人と、どう付き合ったらいいのでしょうか。16~17世紀に活躍したイギリスの哲学者フランシス・ベーコン(1561-1626)を参考にするとヒントがみえてくるかもしれません。

ベーコンが活躍した頃はルネサンスが最盛期を迎えていました。劇作家のシェイクスピアが人の内面を鋭くみつめる作品で演劇界に革命を起こしたのもこの頃だといいます。

ベーコンは幼い頃から神童と呼ばれわずか12歳でケンブリッジ大学に入学しました。哲学、科学、法律など様々な分野でその才能を開花させたといいます。

23歳で国会議員になるというエリートコースまっしぐらだったのですが、思ったことをストレートに発言するため周囲の人と度々対立したといいます。

臨時の税金を課す法案には、国民が困窮するとして反対した結果、絶大な権力を持つエリザベス(1世)女王の怒りをかってしまいました。

また、哲学についても古代ギリシャから続く考えを抽象的だとして否定し、アリストテレスやプラトンを猛烈に批判したといいます。

人間関係
ベーコンは人間は真実を見誤るものだと気づき原因を考え続けました。導き出したのがイドラ(Idola)という人間関係の悩みを解くカギでした。

イドラはアイドルの語源といわれています。アイドルは若い子の憧れみたいなことだと思われがちですが、実際は偶像や幻影を意味します。

イドラは、思い込み、偏見、先入観と考えられています。ベーコンは、人はそれぞれ違う色メガネで世界を見ていると考えたようです。しかも色メガネをかけていることに気づいていない。

ベーコン曰く、「人間は目に見えないもののことはまったく考慮しない」色メガネをかけると世界が正しく見えなくなる。

4つのイドラ
種族のイドラ:人間特有の思い込み。夕日が大きく見えるなどの錯覚。

洞窟のイドラ:個人の狭い価値観。

市場のイドラ:噂話などの偏見。現代ではインターネットに置き換えられます。憶測や誤った情報が飛び交っています。

劇場のイドラ:権威ある人や有名人の言葉を無条件に信じる。劇場の観客は舞台の主人公に心を奪われやすい。

ベーコン曰く、「ミツバチのように庭や野の花から材料を吸い集め、それを自分の力で変化させハチミツにせよ」

これは帰納法の例え、たくさんの事例を集めしっかり検証をして結論を導き出す思考法です。

これを人間関係に応用
私は姑に小言を言われてばかり、顔を合わせるのも嫌だ。私を嫌っているに違いない。

ネチネチ小言を言う理由について検証する。

姑は体調が悪そう。隣の奥さんからあなたのことを褒めていた、色々教えたいと言っていた。実家の母に聞くと、私がビシビシやって下さいと言ったのよ。

以上から、姑は私を嫌っている訳ではなさそう。合わない人との付き合い方に帰納法を試してみてはいかがでしょうか。

但し帰納法は、古代ギリシャでは都合のいいデータを集めきちんと検証は行わなかったといわれています。否定的な材料も集めることが大切だと考えられます。