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身近な人に反発するのは何故?

「早く〇〇して!」「もっと〇〇して!」など、他人にいわれるよりも何故か身近な人にいわれるほど腹が立つことがある。何故なのか?

<奈良先端科学技術大学院大学 日永田助教>
知能ロボティクスから解く「不気味だから

不気味の谷現象=ロボットの見た目を人に近づけると親近感を増すがある時点で急激に下がる現象。

アナウンサーのロボットとひな壇に座ると凄く気持ち悪い。ロボットの方が可愛いといわれたら更に嫌悪感が増す。

それは予測の問題。人間の脳はあらゆるものを予測して、予測と現実の差を縮めるようにしている。予測と現実の誤差というのが不気味の谷現象でも起きていると考えられる。

身近な人ほど予測モデルの精度が高い、予測誤差を生じた時に → 行動で違和感を修正=反発

例えば、親から「〇〇君は最近どうしているの?」実は〇〇君は小学生の頃好きだった人。「知る訳ないじゃん」と冷たく突き放す。

現実:親は「子がまだ〇〇君がすきだ」と思っている。
予測:親は「子がまだ〇〇君がすきだ」と思っているはずがない。

予測誤差を感じて、冷たく突き放して反発 → 親の行動を変えようとした(誤差を解消しようとした)反発は誤差を小さくするための行動。

<東北大学 渡辺教授>
植物遺伝学から解く「身を滅ぼすから

身近な人つまりそれは遺伝的に近い存在。遺伝的に遠いものと子孫を残さないと多様性は生まれてこない。遺伝子の近しいものと遺伝子を混ぜっこしてしまうと、ある種の奇形や不具合が生じるといわれている。

植物は遺伝的に近し人と他人を選ぶ工夫をしている。自家不和合性といって、同じ個体の花粉よっては受精が行われない現象。身を滅ぼさない知恵といえるのではないか。

親や兄弟は遺伝的に近しい存在だから反発してしまう。

<神奈川大学 丸山名誉教授>
法社会学から解く「タダだから

相続は家族関係があるだけで何の労力を費やさずに財産をタダで貰える。お金が絡んでくるとタダであるからこそ揉める。

今の相続制度はもめるようにできている。「あの時貰っただろう」「介護をした」家族の歴史を蒸し返す。お互いに反発しあう。

無償(タダ)の家族関係では中が良い → 相続のようにお金が絡んだ家族関係では大いに争う。いったん揉めると苛烈になるし目立ってしまう。

また身を滅ぼすからの観点から、社会では近親相姦のの禁止の制度がある。近親者とそういう関係になっていくと社会ができあがらない。人間が社会的存在であることを守るためだ。