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逆境を乗り越えるコツとは?

災害、病気、愛する人の死、仕事や人間関係のストレスなど、いつなんどき逆境に立たされるか分かりません。そんな時に必要なのがレジリエンスです。跳ね返す力、回復力です。困難な状況にもかかわらずしなやかに適応して生きる力です。

レジリエンス外来
がんと診断され心が動揺している人が自分の中のレジリエンスに気づき立ち上がることをサポートするといいます。

ストレスによって1回気持ちが落ち込んだとしてもまた元に戻っていく力、その方自身が向き合っていく力が主役という意味を込めてレジリエンス外来というそうです。

どのような家族(両親)のもとに生まれどのように育てられたか。思春期にはどのようなことを考えたかなど、自分の歴史について考えてるといいます。

また、病気が分かった時(告知受けたまさにその時)はどのように感じて、どのような考えが浮かびましたか?これからの時間をどのようすごしていこうと考えられいますか?それらの答えをワークシートに書いていくといいます。

生まれてから両親との関係、学校にいってからどうだったか、思春期に何を考えたか、成人してからどんなことをやってきたか、この歴史の連続性の中に今の世界観があるというわけです。

なぜ自分が苦しんでいるのか何がつらいのかというのは、がんになる前の世界観が何を失ったかということを理解することが必要だからなのだそうです。

レジリエンス外来は、1回50分を4~8回集中的に行うといいます。患者自身が自分を苦しめていることの正体に気づき立ち向かうのだといいます。

自分の心を整理することが大切だと考えられています。心が柔軟になれるのではないでしょうか。そして、自分は自分でいいのだということが分かるのだと思います。

主なレジリエンス
1.楽観主義でいる。
物事のネガティブな側面もしっかり見た上で、ネガティブな側面に引きずられずに現実的な楽観主義を保つ。

2.恐怖と向き合う。
怖いことや嫌なことから逃げたくなりますが、恐怖を避けることで事態が悪化することがあります。恐怖と向き合うことは自分の感情をよく見ていくことになります。

3.道徳的方針や信仰を持つ。
道徳的方針=哲学的なことや利他主義など。信仰=特定の宗教でなくてもよく、自分を超えた存在に祈る。

4.社会的サポートを求める。
5.新たな視点から意味を見つける。

突然の災害からの再生
2011年の東日本大震災 福島原発事故当日、福島県飯舘村で暮らしていた家族がいました。夫婦と女の子3人の5人家族でした。

およそ10年かけて作った自然農園が軌道に乗り始めた頃だったといいます。自然食のレストランも開き手づくりのピザやパンが好評だったといいます。

3月11日新しい家の棟上げを自らの手で行っていたそうです。原発が危ないと知って家族を車に載せて飯舘村を脱出したといいます。飯舘村が34マイクロシーベルトでもう帰れないと思ったそうです。

そんな時に聖書のワンシーンが浮かんだといいます。それは避難する時振り返った1人だけが塩の柱になったという話です。それを思い出した父親は後ろを振り向かなくていいんだと思ったといいます。

一切今まで10年間やってきたことを振り向く必要はない。前だけを向くと決めたそのレジリエンスを呼び起こしたのは信仰だけではなく、若い時の逆境体験が大きく影響しているといいます。

実家は農家で経営は安定していて後を継ぐつもりでいたといいます。しかし21歳の時、農業に身が入っていないと勘当されたそうです。自分が底なしの井戸みたいな所にすっと下がっていく感覚を持ったといいます。

自分が不安の中に陥ってしまうような生き方とか考え方とかそれは一体なんだろうか、世界中のどこに行っても自分は自分であって、そこで生きる技術においても人との関係においてもきちんとできる、そういうものを持ちたいと思ったそうです。

インドやバングラデシュなどアジア諸国で20年間農業支援協力に携わったといいます。そこで培ったものはどんな環境でも柔軟に対応していく力、問題にぶつかっても視点を変えて新しい局面を見つけることを体験として学んだといいます。

母校の農業高校がある三重県へ避難してきた時も、飯舘村でモノは失ったけどそこで得た経験とか自分自身が持っている知識とかそういうものを失っていないわけだから、また同じようなことをやればいいとそういう切り替えができたといいます。

自分の子供達とか、親、家族をどうやって食わせようかどうしようかということは考えなくていいといいます。それは必ず大丈夫なんだという確信があるからだといいます。福島の自分の失ったモノのことで心を痛めたり苦しんだことはないそうです。

三重県では被災者が耕作放棄地を再生すれば補助金が支給される制度があり、それを活用できたのも良かったといいます。食べる物は全部自分で作るといいます。お米から野菜から、麦から大豆から、しょうゆや味噌も自分で作るといいます。得意のピザも焼いているようです。