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シェーグレン症候群とは?

シェーグレン症候群は、1930年代にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンにちなんで名付けられた病気だといわれています。

指定難病
免疫の誤作動により、全身の色々な臓器に炎症が起こる自己免疫疾患であり膠原病の1つです。特に外分泌腺の涙腺や唾液腺反応して、涙や唾液が出づらくなり、ドライアイやドライマウスの症状が現れるといいます。

また疲れやすい、関節が痛むなどの症状を伴うことがあり、症状が重くなると日常生活に支障をきたすこともあるといいます。

50歳代に多くみられるといいますが、小さいお子さんから高齢者までどの年代でも発症するといいます。また、女性が全体の9割以上といのも特徴の1つです。

早期発見のサイン
シェーグレン症候群の患者は約7万人とされていますが、身近な症状のために見逃されていることも多く実際にはもっと多くの患者がいると考えられています。

【初期症状】
・ドライアイ:目が疲れやすい、目がゴロゴロする、よく目が充血する、悲しくても 涙が出ないなど。

・ドライマウス:水が手放せない、、食事中よく水分をとる、食べ物がのどを通りにくい、口が渇き会話が続けられない、口角に炎症、虫歯など。
※唾液には口の中のウイルスや細菌の増殖を抑える抗菌作用があり、唾液が不足してドライマウスになると虫歯になりやすくなる。

・レイノー現象:寒さや冷たい水などによって指先が青白くなる。

・唾液腺の腫れ:耳下腺や顎下腺などの炎症によって。

・全身症状
多関節痛、多関節炎、筋肉の痛み、咳、呼吸困難、間質性肺炎、腎機能低下、腎不全、腎炎、手足のしびれ、末梢神経障害など。

※症状がドライアイやドライマウスだけの人が約70%、初期症状+全身症状の一部、いくつかの症状が一度に現れる、少しずつ現れる、よくなったり悪くなったりを繰り返すこともあるといいます。進行すると臓器に深刻な障害が起こ、命に関わることもあるといいます。

【検査】
・血液検査:自分の細胞や組織に反応する自己抗体の有無を調べる。

・生検病理組織検査:唾液腺や涙腺の組織を採取して顕微鏡で観察し、免疫細胞が過剰に増加していないかを調べる。

・涙や唾液のの分泌量検査

症状を緩和する
症状が出た場合、最初に受診するのは眼科や歯科、耳鼻咽喉科などが多いかもしれません。症状が長く続いたり、日常生活に支障をきたす場合は「シェーグレン症候群は大丈夫でしょうか?」伝えると良いかもしれません。

シェーグレン症候群が疑われる場合は、リウマチ科や膠原病科など免疫疾患を専門とする医療機関の専門医に診てもらうのが、早期診断と適切な治療を受ける近道だと考えられます。

・ドライアイ
角結膜障害や目の乾燥の改善を目的に1日数回目薬を点眼。症状が重い場合は、涙が目から鼻に流れないようにする涙点プラグによる治療を行うといいます。

・ドライマウス
セビメリン塩酸塩(のみ薬)やピロカルピン塩酸塩(のみ薬)によって唾液の分泌を促す。吐き気、動悸、発汗などの副作用が起こることがあり薬の量を調節する。

・漢方薬の麦門冬湯

・人工唾液スプレー:1日数回、口の中に直接スプレーし口腔内に潤いを与える。

・保湿ジェル:指で口の中や舌に塗る。

・唾液腺の腫れ
腫れが繰り返すような場合は、ステロイド薬、セフェム系抗生物質、唾液腺を洗浄したりする。

・臓器障害
末梢神経障害、腎炎、間質性肺炎などが起こった場合には、ステロイド薬や免疫抑制薬を使って症状を抑える。ドライアイやドライマウスだけでは使わない。

ステロイド薬の副作用として、感染症、ムーンフェイス、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、骨粗しょう症、不眠、抑うつなどが挙げられます。

免疫抑制薬の副作用として、貧血、骨髄抑制。感染症などが挙げられます。それぞれ副作用に注意ながら薬の量を調節して治療を行っています。