2種類の眠り
東京大学大学院 上田泰己教授によると、
人が知性を発達させたのは睡眠を長くとれたからだという。
1953年に発表された論文、2種類の眠りがあることを研究者たちは突き止めた。
ノンレム睡眠(深い眠り)
寝返りする眠り。
神経細胞と神経細胞の間にシナプスがあり、ノンレム睡眠中に新しくできる。
レム睡眠(浅い眠り)
脳は活発に働いている。
体が動かない眠り。
脳は起きている状態に近い。
体は深く休んでいる。
2018年レム睡眠を引き起こす遺伝子を発見。
レム睡眠とノンレム睡眠のバランスを良く保つ。
調子よく2つの眠りの間を移り変わることは、
人の高度な知性を司る上でとても重要であると考えられている。
名古屋大学 山中章弘教授によると、
2019年サイエンスに掲載された論文では、
レム睡眠 海馬の記憶を消す。
レム睡眠中に活動するMCH神経が海馬で記憶を消す働きがあって、
毎晩寝ている間に起こるレム睡眠中に活動して、
記憶を徐々に消去している。
起きている時に五感から得た情報を一部消すようにする。
レム睡眠、ノンレム睡眠のサイクルで、
自然選択のような進化のプロセスがひと回りする。
一晩にそれが4~5回繰り返されている。
毎晩起こる進化の大イベントのようだ。
レム睡眠中は忘れるだけではなく、強い記憶は増幅される。
重要なものと、重要ではないものとを選んでいる。
夢 レム睡眠
東洋大学 松田英子教授によると、
夢は記憶から引き出される。
夢の内容は基本的に脳に蓄積した記憶情報が再生される。
荒唐無稽な夢のストーリーを生む。
夢にレム睡眠が関わっている。
広島大学 小川景子准教授によると、
レム睡眠中の急速眼球運動が起こる時に、夢をよく見るという。
急速眼球運動は
Rapid Eye Movement
REM睡眠と名付けられた。
起きていて確実に何かを見ている時と、同じ脳の活動があったということで夢と関係していると考えられる。
鮮やかな夢を追って眼球が動く。
眼球が動いて、鮮やかな夢を誘導する。
心や脳の病気は睡眠に異常が出る。
眠りの情報をシェアする時代のために技術開発が進んで行く。