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その匂い好きですか?

今五感の中で注目されているのが嗅覚といいます。ここ30年で人の嗅覚の研究が一気に進み、私たちは1万もの匂い物質をかぎ分けられる能力があることが分かったといわれています。

古本の匂いを嗅ぐとバニラみたいに感じるといいます。紙は木からできていますが、木に含まれる成分は長い間おいておくとバニラのような香りができてくるといいます。古本もバニラもバニリンという物質が含まれているといいます。

足の裏とチーズにはイソ吉草酸が含まれていますが、好きな匂いか嫌いな匂いか微妙な香りなのかもしれません。不思議ですね。キュウリの匂いがなんと加齢臭(2-ノネナール)だということもあるようなのです。

匂いの秘密
ラベル付けで匂いの好き嫌いは変わるといいます。加齢臭は70~80%の人は好きでも嫌いでもないそうです。10%の人は好きだといいます。どうも思い込みが関係しているようです。

インドールは薄いとジャスミンのような良い匂いとされます。マリリンモンローの香水に入っていたそうです。しかし濃くなると動物にフンの匂いに感じるようなのです。匂いの感じ方に影響を与えるものとして、1遺伝子、2体調、3経験・学習といわれています。

フランスではアニスという香草が好まれてよく料理などに使われるそうです。母親が妊娠中にアニスを使った料理を食べていると、生まれてきた赤ちゃんはアニスを嫌がることはなかったといいます。

母親が妊娠中にアニスを使った料理を食べないと、生まれてきた赤ちゃんはアニスを嫌がるようになったといいます。これは胎児のうちに既に匂いを学習し脳が匂いの価値を判断しているからだと考えらています。

メカニズム
匂いが足し算されてある匂いができるといいます。自然界には数十万ある匂い物質が混ざり合って色々な匂いになるといいます。例えば、数十万のうち300種類が混ざるとカレーの匂いになるというようなことです。

匂い1個が1個取り出せるから人工フレーバーができるといいます。嗅覚のメカニズムは嗅細胞(嗅繊毛)がセンサーの役割を果たしているということが分かっています。また人には400種類の嗅覚受容体があることも分かっています。ちなみに視覚受容体はわずか数種類だといいます。

モノを食べるときに、鼻先から香ってくるのがたち香(オルソネーザル)、のどごしから戻って香ってくるのが口中香(レトロネーザル)といい、美味しさは舌の味覚より口中香が重要であると考えられています。