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胃の痛み、胃もたれ、胸やけの悩み解消

日本人の4割が、胃の痛み、胃もたれ、胸やけなど何らかの胃の悩みを持っているという。

胃の痛み
胃の痛みを伴う病気で代表的なものは胃潰瘍や急性胃炎。

胃が分泌する胃酸は強力な消化液。その胃酸から胃を守ってくれる粘膜が何らかの理由で傷つくと

無防備になった胃壁が胃酸にさらされ、胃炎や胃潰瘍になって痛みが起こると考えられている。

刺激によって胃が収縮するなど胃の動きによって痛みを感じる場合がある。

その原因は
・度数の高いアルコール、辛い物などの刺激物
突然強い刺激物が入ると胃は傷つきやすい。

・ストレス
胃の動きは自律神経がコントロールしている。

ストレスで自律神経が乱れる。
→胃酸が過剰分泌 → 粘膜を傷つける → 痛み

・感染症
胃潰瘍の原因は、ピロリ菌が70~80%

胃がんは99%がピロリ菌と関係ているといわれている。

・薬物
NSAIDs(非ステロイド性鎮痛薬)の服用による20~30%

脳梗塞や心筋梗塞の予防薬として処方される低用量アスピリンなども胃の粘膜傷つける恐れがある。

・食中毒
魚介類に寄生するアニサキス。

アニサキス症
食後数時間から数十時間後に、みぞおちの激しい痛み、おう吐などを引き起こす。

<胃潰瘍や急性胃炎の治療法>
胃酸の分泌を抑える薬物で治療する。

ピロリ菌がいないか検査する。

ピロリ菌陽性 → 除菌治療
胃酸の分泌を抑える薬と抗菌薬を、1日2回 7日間服用する。

除菌治療が終了して1か月以上後に再検査して、ピロリ陰性 → 治療終了

陽性なら別の抗菌薬に替えて再び除菌治療する。

2次除菌まで行けば99%の人が除菌できる。

薬物による痛みの治療
PPI(プロトンポンプ阻害薬)
P-CAB(カリウムイオン競合型アシッドブロッカー)
などを服用しながら本来の薬を服用する。

アニサキス症の治療
口から内視鏡を入れてアニサキスを胃壁から引き抜く。

アニサキスが寄生する魚介類
サバ、アジ、サンマ、イワシ、カツオ、サケ、イカなど

できるだけ早く内臓を取り除く。

アニサキスは魚介類が死ぬと内臓から筋肉に移動することがある。

目で見て動くものを見つけたら取り除く。

調理時70℃で死滅(60℃なら1分)。

マイナス20℃で24時間冷凍が確実。

内閣府食品委員会で推奨している。

家庭でできる冷凍庫もある。

わさび、醤油、酢では死滅しない。

アニサキスのアレルギーになることもある。

次に食べた時に症状が酷くなったり、死んだアニサキスにまで反応することもある。

※一刻を争う場合もあるので、胃に痛みを感じたら医療機関を受診しましょう。

胃もたれ
ある製薬会社の調査によると、過去1年以内に胃が重い、もたれると感じたことがあるが36.9%(20~60代)。

また以前に比べて胃に不調があるのは74.2%だったという。

しかし胃は年をとらない臓器といわれている。不調の原因は自律神経のようだ。

慢性的な胃もたれはピロリ菌の感染が原因の場合もある。

ピロリ菌は胃の粘膜に有害なたんぱく質を注入する。
→ 胃に炎症を起こす → 慢性胃炎

→ 消化する力が落ちる。食欲ホルモンが減少する。

→ 食欲不振、胃もたれ。

放置すると胃潰瘍や胃がんに進行する場合もある。

機能性ディスペプシア
これまで原因不明で診断がつかなかったものに胃の働きが悪いことからこの病名がつけられた。

症状は、胃の痛み、しゃく熱感、胃もたれ、早期満腹感。

食後に起こることが多い。

【機能性ディスペプシアの治療法】
胃の機能を高める薬を使用する。
・アコチアミド
・六君子湯(りっくんしとう)

※不安が強く症状に影響していると考えられる場合は抗不安薬を使うこともある。

胃の働きとしては3つあるがそれらが不調の場合
・溜める → 早期満腹感
・混ぜる → 消化不良
・送り出す → 胃もたれ

これらの働きの不調は自律神経の乱れと考えられている。

自律神経は加齢によって急速に衰える。

更に恐怖、不安、危険などのストレスがあると、時間が乱れて胃の働きが悪くなる。

自律神経の緊張が続くと、知覚過敏といって小さな刺激にも敏感に反応してしまう。

痛み、しゃく熱感、もたれなどをより強く感じてしまう。

自律神経を整える、生活習慣を改善することで。

〇胃に負担をかけない食べ方。
・ゆっくり噛んで食べる。
・腹八分目。
・食後は30分休憩。

〇禁煙。
〇十分な睡眠。
〇適度な運動。
・30分~1時間程度のウォーキング。
・口から息を吐き両肩を後ろに回す(3~5回)。
・肩を上げて落とす。
・深呼吸。
1.鼻から3秒かけて息を吸う。
2.1秒間止める。
3.口をすぼめ6秒かけて息を吐く。

・ツボ
中かん(ちゅうかん)
おへそから指4本分上を、人差し指で10秒押さえて離す。4~5繰り返す。

胃兪(いゆ)
ヒジと同じ高さの背骨から親指2本分外側を押す。気持ちいい程度の力で。

胸やけ
胸やけ(しゃく熱感)の大きな原因は、胃の入り口が緩んで胃酸が逆流して食道に炎症を起こす逆流性食道炎。

食道の組織は胃の粘膜とは違って胃酸に耐えられないために炎症が起こると考えられている。

2022年では日本人の6人に1人が逆流性食道炎といわれている。

逆流性食道炎の主な症状として、胸やけ、どん酸、胸の痛み、のどのつかえ、声のかすれ、ぜんそく、中耳炎、歯への影響などが挙げられる。

胃酸過多、大食い、高齢者、猫背、肥満、ピロリ菌除菌後の人がなりやすいといわれている。

放置していると、バレット食道といって食道の粘膜が胃の粘膜にように変化して、食道がんのリスクが高まる。

逆流性食道炎セルフチェック
1.胸やけがしますか?
2.思わす胸を手のひらで擦ってしまう?
3.食べた後むかむかすることがある?
4.のどの違和感がある?
5.ものを飲み込むとつかえることがある?
6.胃酸が上がってくることがある?
7.ゲップがよくでる?
8.前かがみの姿勢で胃酸が上がってくる?

逆流性食道炎の疑いがある場合、内視鏡で食道の粘膜を検査する。

粘膜に炎症が確認されると、びらん性逆流性食道炎と診断される。

また、炎症は起きていないのに、食道の知覚過敏のために胸やけの症状を起こす「非びらん性逆流症」も少なくない。

PPIやP-CABなどの薬で胃酸を抑える治療を行う。

逆流を防ぐ生活習慣の改善
1.食生活(胃の入り口を緩ませるものNG)
・食べ過ぎNG。
・アルコール、炭酸飲料、コーヒー(4杯以上)など飲み過ぎ注意。
・キャベツ、レタス、アスパラなどビタミンUを含む食物は推奨される。
※ビタミンUは胃酸の過剰な分泌を抑える働きがある。
※DPA、EPAにも同様の働きがあり青魚を摂ることが推奨される。

2.姿勢
・猫背を改善する壁立ち。
※かかと、お尻、肩甲骨、後頭部を同時に壁に着ける。
毎日1分間行うと正しい姿勢が体にインプットされる。

3.適度な運動
・体幹を鍛えるのに役立つ、片足立ち。
(イスの背につかまるなどして転倒注意)

右足を上げ膝を直角に曲げる。
その姿勢を30秒間キープ。

左足でも行う。
両足で1セット、1日2セットが目標。
※曲がった背骨が自然にまっすぐになる。