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おいしく味わえていますか?

大好きなものなのにちっとも美味しく感じない。食べてもいないのにいつも口の中で嫌な味がするなど、その症状もしかしたら味覚障害かもしれません。

日本口腔咽頭学会による全国調査では、味覚障害の患者数は1990年に約14万人だったのが、2003年には約24万人に増えているといいます。

味覚障害の患者は女性が6割、65歳以上が全体の半分を占めるということが分かっています。味覚障害の原因で最も多いのは、亜鉛不足という亜鉛欠乏症だといわれています。

亜鉛不足とは?
味覚障害の症状としては、味が薄く感じられる。味がまったくなくなる。本来の味と違う嫌な味がする。食べていないのに嫌な味がする。などがあるといいます。

味覚障害は少しずつ進行して本人は気づかないことが多いといいます。年齢のせいだとあきらめる人もいるようです。嫌な味がするという方は金属のクギの味を感じる人もいるそうです。

味覚のメカニズムですが、舌に存在する味蕾というセンサーが味を感じるといいます。この味蕾は約1万個あるといいますが、新陳代謝が早く1週間で代謝されるといいます。この時亜鉛不足だと味蕾が再生されないので味覚障害が起こると考えられています。

味を感じなくなると、濃い味を求めるようになるので塩分過多になり高血圧の原因になってしまいます。ひいては心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まると考えられています。また、口の中で嫌な味がすると食欲が落ちて食事の量が減って栄養不足になる恐れも出てきます。

味覚障害のセルフチェック
1.調味料を多く使うようになった。
2.食べていないときも口の中に苦みなどを感じる。
3.何を食べても不味く食欲が低下して体重が減少した。
4.いつもと違う味がする。
5.塩味がとがった感じがして不快に思う。
6.何を食べてもまったく味がしない。
7.特定の味がしない。

これらは味覚障害の入り口の症状だといいます。本人が自覚するよりも周りの人が気づくことが多いといわれています。したがって家族の意見を聞くことも大切です。

1つでもチェックがあれば医療機関の受診を検討して頂きたいです。特に服用している薬が多い人や偏食が激しい人は要注意と考えられています。

亜鉛が足りないとどうなる?
亜鉛の推奨摂取量(日本人の食事摂取基準2015年版)は、成人男性 10mg、女性 8mgとなっています。70歳以上は男女とも1mg減となります。

2016年の国民健康・栄養調査によると、男女とも18歳以上は亜鉛摂取量が半分不足していることが分かっています。気をつけていないと亜鉛不足になりがちになると考えられます。

亜鉛不足になると味覚障害のほかに、貧血、骨粗しょう症、皮膚炎、脱毛、発育障害(小児)など、抵抗力の低下によってインフルエンザにかかって重篤化することもあるといいます。

しっかりとって予防する
お近くのクリニックの血液検査で亜鉛不足かどうか分かるといいます。低亜鉛血症の場合、亜鉛製剤を処方(保険適用)されます。約7割の方が症状が改善するといいます。

亜鉛は体内で作ったことができないので食事やサプリメントで予防する必要があると考えられます。亜鉛を多く含む食品は、カキ、豚レバー、牛肩肉(赤み)、ホタル、納豆、ココアなどがあります。カキでは5~6個、豚レバーでは約150gが目安になります。

まとめ
味覚障害になると治療に数か月はかかるといわれています。普段から亜鉛不足にならないような食生活を心掛けたいですね。また、味覚にたいして何らかの自覚症状がある場合、原因不明の皮膚炎や貧血は亜鉛不足かもしれません。早めに医療機関を受診して頂きたいです。