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なぜ人の意見に同意する?

アダストリア2018年5月調べによると、女性の75%が空気を読む、それに反して空気を読まない生活がしたいが75%というデータがある。何か無理やり同調している気がする。もっとのびのび生きられるヒントが見つかれば幸いです。

国立遺伝学研究所 木村教授
説:集団で力を発揮するため

同調するということを細胞の視点で考えた。小さな分子が力を合わせて細胞を建築している。細胞も同調しているという。線虫(体長1mm)は透明なので体の中までよく見える。

線虫の細胞は同じ方向に流れている。「細胞質流動」といって細胞の内部が流れるように動く現象、栄養を行き渡らせる役割があると考えられている。

それは気まぐれな分子がいて同調しない分子がいる。それに合わせて同調するので流れが変わる。同じ種類の分子も同調したり気まぐれにふるまったりするという。

同調するというのは分子たちが、細胞という大きな社会を動かすために必要不可欠なものと考えられる。

東京外国語大学大学院 菅長教授
説:和することが基本だから
平安時代和歌は、男性と女性のコミュニケーションの手段だった。和歌を受け取った女性は、もらった和歌の中に含まれている言葉を使って返事の歌を書いた。和歌の贈答。

光源氏
「はかりなき千尋の底の海松ぶさの生ひゆくすえは我のみぞ見む」

訳:あなたが成長していくさまを海のような深い愛情で見守ります。

紫の上
「千尋ともいかでか知らむ定めなく満ち干る潮ののどけからぬに」

訳:あなたがおっしゃる愛情も、海の深さのようにあてにはなりません。

「千尋」という言葉では同調するが、歌の内容は切り返している。お見事です。

光源氏
「身はかくて さすらへぬとも 君があたり 去らぬ鏡の 影は離れじ」

訳:私はあなたを置いて去っていきますが。身近にある鏡に私の影を残していきます。

紫の上
「別れても 影だにとまる ものならば 鏡を見ても 慰めてまし」

訳:別れてもあなたの影が鏡にとどまってくれるのなら、私は鏡を見て合えない寂しさを慰めます。

「鏡」「影」という言葉で同調、内容も唱和している。素晴らしい。

日本大学 秦一平教授
説:相手の力を制するため

人の意見を地震の揺れに例えると、同調は相手を助長すると見せかけて相手の力を制している。

建物が地震に同調すると共振といって大きな揺れが起こり甚大な被害が出てしまう。人間社会を考えるとどの程度同調するかが大事。

ちょっとした反抗しながら同調、摩擦を作りながら違う方向にエネルギーを持っていく同調くらいがいいのかもしれない。

重ねるところ同調するところと、ずらすところ両方が必要なのだ。