男性型脱毛症についてはここ10年位で大部病態が分かってきたという。
それに伴い効果的な治療が進んできたようだ。但し保険は適用されず自由診療だ。
2017年に日本皮膚科学会作成した、ガイドラインにそって最新の薄毛治療情報を紹介する。
薄毛の原因
毛髪は、成長期、退行期、休止期、脱毛を繰り返す。
しかし何らかの原因で成長期が短くなることがある。
髪がしっかり成長する前に抜けてしまう。
これが続くことで毛量が減ってくる。
30代では約30%、50代では40数%が薄毛で悩んでいるといわれている。
男性の場合は、男性ホルモンが原因で男性型脱毛症（AGA）が起こる。
男性型脱毛症は頭頂部、前頭部から広がる。
前頭部はM次型、頭頂部はO型。
男性ホルモンの受け皿が頭頂部や前頭部の毛乳頭（毛根の一部）にある。
そこに男性ホルモンが結合すると、毛を作る細胞の増殖が抑制される。
発症すると髪の毛の張りとコシが失われて、短く弱々しい髪の毛になっていく。
抜け毛に細くて短い髪の毛が多い場合は、男性型脱毛症のさいんかもしれない。
女性の場合は、女性型脱毛症。
頭頂部から側頭部までの広い範囲に細くて柔らかい毛が多く生える。
女性ホルモンの減少の他に、
鉄分や亜鉛の欠乏、自己免疫疾患、急激なダイエットや出産などが原因といわれている。
ダーモスコピー検査
細い毛が全体の2割を超えると、男性型脱毛症が疑われる。
薄毛の治療
【内服薬】
フィナステリド
デュタステリド
男性A
女性D
副作用：性機能障害、肝機能障害
【外用薬】
ミノキシジル
男性・女性A
副作用：低血圧、むくみ、動悸、痒み、頭髪以外の毛量が増える
アデノシン
男性B
女性C
医薬部外品に分類されており、手軽に入手できる。
【機器】
赤色LED
男性・女性B
赤色LEDは毛髪を成長期に促す。
【植毛】
自毛
男性B
女性D
かなり薄毛が進行していても、定着すれば毛髪サイクルが再生する可能性もある。
費用は高額になる。100万円以上になることもある。
人口毛
男性・女性D
過去には脱落、感染症などの有害事象が報告されている。
【かつら・ウイッグ】
男性・女性C
セルフケア
毛髪サイクルに乱れを正すには、規則正しい生活習慣が大切。
女性の場合は鉄分や亜鉛が不足しがち、バランスのとれた食事を。
頭皮の状態を良好に保つためには、シャンプーで汚れを落とすことが大切。
過度な頭皮へのマッサージや乾燥は頭皮を傷めることもあるので注意が必要。
副作用などで皮膚障害があれば皮膚科を受診。
未承認薬を使用して副作用が出たら、使用した薬を持って受診。
