化粧品業界で3つのテーマといわれるシミ、シワ、毛ですが、シミや発毛対策商品はかなり早い時期に完成し発売されていました。シワ対策が遅れていたようです。
そもそもシワとは何なのかでしょうか？シワがある皮膚、シワがない皮膚を1年半観察したところ、シワの原因は、好中球エラスターゼではないかと考えたといいます。好中球エラスターゼが真皮のコラーゲンやエラスチンを分解しシワの原因になるようなのです。
好中球エラスターゼを抑える物質が分かれば、シワ改善美容液ができるかもしれません。5400以上の候補をリストアップしてテストを繰り返したといいます。
このテストも1年半行い1つのある有効成分を見つけたといいます。それはニールワンです。シワ対策に重要な成分として、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンといわれています。
したがってニールワンは画期的な成分といえるでしょう。但しそれには致命的な弱点がありました。水と混ざると徐々に効果がなくなっていくことです。3年まで持たないのでした。
国の承認得る医薬部外品でなければシワに効く化粧品だとは謳えません。そのためには品質が3年持続するものでなけれなりません。
試行錯誤5年、水を使わなくても成分を肌に浸透させる方法として、例えばワセリンなどにニールワンを入れて練りこむことで、水を使わず安定配合させることを見つけたといいます。そして2009年6月厚生労働省に申請を行ったということです。
この一連の研究開発はポーラ化粧品の末延則子さんがリーダーのチームです。シワ改善美容液の医薬部外品の第1号として認められました。それは、POLA リンクルショットです。2年で売り上げ260億円のヒット商品です。
